第二章

 一人娘で赤ちゃんの頃から甘やかし過ぎなくらい可愛がってきたから。


 そう告げて、おばさんは天音の顔を一瞥する。


「とにかく、珠美ちゃんの言ってくれたことはきちんと検討するわ。天音も良いわね? お父さん交えて話をして、明日になっても体調が変わらなかったら病院に行くようにしましょう」


「……うん」


 気後れしたような天音の返事に頷いてから、おばさんは私に薄い笑みを浮かべてキッチンへと戻っていった。


 テーブルに置かれたジュースを見つめながら、これで良かったんだと自分に言い聞かす。


 万が一、本当に万が一天音の不調の原因があのとき飲み込んだ石にあったとしたなら。


 ――放っておけば大変なことになっちゃうかもしれない。


 もちろん、石がお腹の中にあるなんてばれたら理由を問い質されることになるだろうし、瑠璃先輩のことがばれたら私もどうなるか。


 ――まずは診察の結果を待ってからかな。


 何事もなければ、または例の石が無関係で済めば問題ないのだ。


 天音を助けることにだって繋がるわけだし。


 胸中でそんな結論を出して、私はオレンジジュースを口に含んだ。

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