第二章

 エプロンで手を拭きながら側にくるおばさんへ、改めて頭を下げる。


「良いのよぉ。この子最近元気なかったから心配してたけど、なんか少しホッとしたわ。学校で皆と上手くいってないんじゃないかって思ってたりしてたから」


 私が訪ねてきたことがよほど嬉しかったのか、おばさんは話す間もずっと笑顔を崩すことはなく天音と私を見比べていた。


「ほらほら、そんなとこに立ってないで座ってちょうだい」


 リビングを示してそう言うと、おばさんは冷蔵庫からオレンジジュースを取り出した。


「あ、お気遣いなく……」


 慌てて声をかけるも聞き入れてはもらえず、コップにジュースを注がれる。


「ゆっくりしていってね。この子、家にいるときはいっつも静かでどこかにでかけたりも全然しないし、ほんとに内向的過ぎるから。珠美ちゃんが仲良くしてくれてるだけでも助かるわ」


「はぁ……」


 リビングにあるソファーへ誘導され、座るようにジェスチャーされる。

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