第二章
僅かに身を乗り出して、私は天音に言い聞かせるようにして言葉を紡ぐ。
「でも……」
しかし、それでも逡巡するように視線を彷徨わせ、天音は口ごもってしまう。
私はそっと息をつき、自分の足元へと目を伏せた。
こうして口で言っていても、ずっと同じやり取りの繰り返しだ。
「私、絶対に天音の家に行くからね」
思いきりをつける心地で、もう一度友人に顔を戻す。
「反対しても行く。決めたから」
「……う、うん」
困りきったように、今度は天音が目を伏せる。
そんな彼女を見て、なんだか自分までいじめをしているような錯覚をおぼえてしまう。
瑠璃先輩たちと対面しているときと同じようなおびえたような友人の表情に、私は重い罪悪感のようなものが胸の奥に沈んでくるのを自覚した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます