第一章
坂下の隣に立ち、同じようにアパートを眺めていた祖父のその言葉にすごく納得したのをリアルに覚えている。
人ではないモノに関わると、命を落とす危険がある。
この日から、坂下の中では常に意識するようになった。
高校一年の冬に祖父を亡くしてからも、このとき聞いた言葉だけは記憶から剥離することなく残り続けたのだ。
おかげで今日まで、人ならざるモノに巻き込まれるような事件だけはピンポイントに避けて生きてこられた。
それがまさか。
――こんな形で寄ってくるとはね……。
何もしなければ、霊というのは無害だ。
関わりがない者にはまず自分からは寄ってこない。
だけど、目の前のこの少女は――
――既に何かが寄り付いてる。でも、何だろう……憑いてるモノがよくわからない。気配はあるけど存在は見えない、みたいな。
普通なら、霊に憑りつかれた人間というのは肩や背中にしがみ付かれていたり、足に引きずっているパターンが多い。
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