第一章
予想通りではあったけれど、やはりここへ来た目的は天音に対する嫌がらせがメインか。
こんな場所でいったい何をしようとしているのかは不明だけど、まったくもって良い予感がしない。
――まさか、さすがにあんな汚い池に突き落したりはしないよね……?
過去の行動を振り返ると否定しきれないのが怖いところだが、こんな汚水に落したりすれば見た目も匂いもごまかせるものではなくなる。
となれば、瑠璃先輩だってそれくらいは考えているだろうし、後々自分が不利になるようなことまではしないだろう。
「ねぇ、天音。ちょっとこっちに来てくれる?」
見せつけるようなゆっくりとした動作で、瑠璃先輩が手招きする。
「え……、な、何でですか?」
警戒する天音は、簡単に言うことを聞くわけもない。
躊躇するように及び腰になりながら、困ったように先輩を見つめ返す。
「もう、そんな怖がらないでよ。別に大したことしないから。ほら、早くこっち来なさいって」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます