第48話 読書ノート 2
念のため、再確認。このシリーズは、おいらが読んだ出版された文庫本の感想を適当に書くコーナーです。カクヨム内の物語の感想を書くものではありません。だから、あなたの書いた素晴らしい物語は紹介されません。しかるべきスコッパーさんか辛口感想家さんに頼んでみてください。喜んでやってくれるでしょう。しつこいですが、初見の方もいるかと思って書いときます。本当にごめんね。
今夜、読み終わったのは伊坂幸太郎『残り全部バケーション』集英社文庫。
ここで一つ訂正。前に「今年出た伊坂さんの文庫は読んでいない」と書いたが、この作品は去年の十二月発行でした。最近、ようやく買ったので、てっきり今年出た本だと思ったのだけど、間違えてました。ごめんなさい。
また話が飛ぶけれど、おいらは文庫の新刊情報を取次の太平社のWebサイトで確認していたのだけど、その太平社が四月で潰れてしまった。当然、新刊情報を得ることはできない。とっても不便だ。他のサイトでも新刊情報を載せているけど、太平社のが一番読みやすかった。残念だ。大手取次の日販とトーハンも書店向けに新刊速報を出しているけど、たぶん、一般向けのサイトでは新刊速報を出していない。大手なんだから、それくらいのサービスをやってもらいたいな。もし、やってたらすみません。認識不足で。
相当脇道にそれた。『残り全部バケーション』の感想を書こう。長編ではなくて微妙に各話がリンクした、連作短編集と言って良いだろう。章立てだから、伊坂さんは長編として出しているのかもしれないが。各章、シチュエーションが違うから長編のカタルシスはない。でも、伊坂さん特有の、あのことがこの伏線だったのか、という面白さがある。
でもおいらはこの小説を淡々と読んでしまった。各登場人物が、皆落ち着いていてよく物事を考えている。ハチャメチャに見える人物も、じっくり物事を考えている。伊坂作品に興奮を求めてはいけないようだ。若くして伊坂さんは老境に入ったのだろうか。これは批判しているのではなく、褒めているのである。
淡々とした文章で、人を読ますのは難しい。でもそれを成し遂げる伊坂さんは素晴らしい。
おいらの好きな小説に、筒井康隆さんの『敵』という老境小説があるのだが、この主人公は老境に至っても、欲望の塊である。いくら淡々としているように見せようとしても欲望が出てきてしまう。そして最後は意味不明になっていく。おいらの説明じゃ、わかりにくいと思うが、老人小説の名作だ。ぜひ、一読を。
伊坂さんはもう、ミステリー作家ではないと思う。本書も大仕掛けのトリックが、あるわけではない。伏線と回収。その繰り返しだが、それが楽しい。でも、正直物足りない。精進料理を食べているみたいだ。
だから阿部和重さんとの共著『キャプテンサンダーボルト』には期待しているんだ。早く文庫化されないかな。これまで培われた伊坂節がぶっ壊れていたらそれはそれで楽しみだ。
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