第13話 読書日記? うさぎ強盗には死んでもらう

 ああ、一日かかって読ませてもらいました。読んでから、おすすめレビューに戻ってみてみたのだけど、すごい! みんな★三つ評価だ。絶賛の嵐。大賞とって当然だ。では、さようなら……で終わったら二度とお客さんが来なくなっちゃうから感想を書くよ。おヒマなら聞いてらっしゃい見てらっしゃい。


(最新の注意は払いますが廃人なのでネタバレしちゃう可能性があります。というか、たぶんします。これから読もうと張り切っている方はこの先はお読みにならないでください。また今度までさようなら)


 おいらが第一に思ったのは他の人もレビューで書いていたけれど、雰囲気が伊坂幸太郎に似ていることだ。おいらは伊坂さん、大好きだからすぐ感じた。そして作品名まで上げれば『グラスホッパー』だ。登場する殺し屋の名前のつけ方は絶対に参考にしていると思う。

 読みやすいか読みにくいかと聞かれれば、軽妙な語り口で読みやすいと答える。一日かけて読んだけど(途中寝ちゃったり、ベイスターズ戦をテレビで見たりしちゃってるけどね)疲労感はあんまり感じなかった。次の章へと進む足取りも軽かった。おいら、飽きっぽいからだいたい一章読むと嫌になっちゃって次にすぐ行かないんだけども、この小説は結構トントン進んだ。でも十万字超えると長いねえ。途中で、あとどのくらいか目次のページに何回も飛んじゃったよ。


 でもね、面白かったかどうか聞かれると、ちょっと言いにくいんだけど、最終的にはつまんなかったんだ。これ作者さんには内緒だよ。おいらの読み方が悪かったのかもしれないんだから。

 なんでそんなに低評価なのかというと、要するにこの小説の肝は人物を誤認させる叙述トリックなんだけど、人物Aが実は人物Bでしたって言われても驚きがなぜか少ないんだ。なんでかなあと考えると、みんな同じ口調で喋っているから読んでてキャラクターがはっきりしないんだ。(もちろん特徴的なキャラもいるけど)もやもやっとした中に人物が隠れているから、パッと正体があらわになった時の衝撃度が少ないんだよね。「ああ、そうでしたか」で終わってしまう。

 それと傍点を使いすぎている。やたら使っているんだ。初めのうちは「この言葉に、何か重要な意味があるんだな」と思って読んでたんだけど、そのうちに、あんまり重要でない言葉にも使っていることに気がついて、「傍点邪魔!」と思うようになってしまった。傍点はキメのところにだけ使えば効果的なのになあと感じた。

 それからこの物語の真の主人公は誰なんだという気持ちが強くなった。この物語は群像劇だから、それでもいいのかとも思うけど、うさぎ強盗が主人公なのか、篠原が主人公なのかというところで、なんとなく引っかかるんだよね。考えすぎかな。


 それにしても作者の知識量はすごいと思う。おいらの知らないことがいっぱい出てきた。それを何章かごとに解説を出しているところなんか小憎らしいアイデアだ。書籍化するときはどう編集するのだろうか? あと、Web小説特有の行間開けをきっちりやっている。これも書籍化するとき、どうするんだろう? なんにしても改稿作業が大変だね。頑張ってください。


 以上、勝手なことを書きましたが、大賞受賞おめでとうございます。

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