うなぎ

突如地球に人間を好んで食べる上位存在が表れてから、気が遠くなるほどの月日が流れた。あらゆる文明は廃れた。生き残った人間達は地下に遺された過去の遺物であるシェルターに住みつき、上位存在から逃げるように暮らしていた。


上位存在から見た人間は高級食材として人気だった。しかし彼らは人間の生態を詳しく把握できておらず、人間の生息数が減少し絶滅の危機にあることも認知していたため、いつかは食べられなくなることを恐れていた。


そんなある日、とある上位存在の科学者が偶然、人間の赤ん坊が数多く収納されている地下のエリアを発掘した。そしてこの赤ん坊達を研究することでついに上位存在は人間の完全養殖を成功させた。研究室の中で人間の誕生から交配、成長まで全て完結できたことで、ついに天然物の人間だけに頼る必要がなくなった。


上位存在たちは喜びあった。これでいつでも好きなだけ人間が食べられる。#曜日の%の日に代替品のオランウータンを食べる必要もなくなったのだ。


養殖人間が多く出回るほど、地下に住む天然物の人間達の危険は減っていく。喜ばしいニュースだ。絶滅の危機は免れた。


めでたしめでたし。

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