■刑罰用オブジェクトの選定について

・あらゆるオブジェクトが使用可能だが、対象者自身が両手で抱えられる程のサイズ感が最も愛着を湧かせやすく、効果が高い。

・ガラスのように飛散してしまうものよりは、ひびが入る、少し潰れるといった、形状が比較的維持される構造のものが望ましい。

・刑罰対象者を洗脳する前に、事前に意図や情報を与えない状態で十分な時間を持って刑罰用オブジェクトと触れ合わせることで、効果をより増大させることができる。

■反対意見

罪人が対象とはいえ「廃棄予定の粗大ごみ」を心の底から愛すように洗脳する、というのは非人道的ではないか。洗脳後は、その粗大ごみは彼らにとっては命より大切な宝物当然だ。それを目の前で破壊して見せるという刑罰は、結局は彼らが犯した罪と同じ重さの罪を我々も犯していることになるのではないか。

■執行側の見解

本刑罰の対象となる罪人は死刑に値する人物のみに絞っている。従来のような命を奪ってしまう刑罰よりは人道的であると考える。刑罰用オブジェクトは廃棄予定物にすることでコストもかからない。

対象者は皆、被害者から大切なものを奪う事象を既に起こしてしまった者ばかりだ。そんな彼らに教育や啓蒙は意味をなさない。被害者と同等の痛みを、命を奪うことなく与えることができる。これ以上に効率的な方法はあるだろうか。

今までこの刑罰を執行した罪人は全て一様に、刑罰用オブジェクトを破壊する直前に心の底から反省の意を示した。彼らが社会復帰できるか否かについては、元々が死罪であるため考慮されていない。そのため、刑罰用オブジェクト破壊後の彼らの状態についてはここで触れる必要はない。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい