壁のむこう★ いらいら

一体お隣さんは、

夜中に何をしているのだろう?


気になる……。




アパートに帰ったら、

もうすっかり夜も更けていた!!


8時ぐらいかな?


104号室の玄関の前に、

オバサンが立っていた!?


「こんばんはー!」


声をかけられて、

キョロキョロ辺りを見回したが、

他に誰も居なかった!!


あ!

俺か!?


「……こっこんばんは……。」


「2階の方ですよね?」


「あ!

はい、203です。」


夜中の物音、

俺じゃないんだが……。


「会社員さんですか?」


「はい。」


「遅くまでお疲れ様です!」


「あ……、

ありがとうございます。」


俺は軽く会釈をして、

階段を上がった。


「やっと帰ってきたわ!!

お帰り!」


「あ!

ママ!!

今日は塾寄ってく日だったの~!」


中学のジャージ姿の女の娘が、

屈託のない笑顔で答えた!!


「ちょっと遅いから、

心配したわ……。」


そんな会話に、

俺を待ち伏せして、

夜中の物音の苦情を

するのかと、

内心ビクビクしていたから、

何も言われなくて、

ほっと胸を撫で下ろした!




やはり、同じ時刻に、

同じ物音がした!!


また起きちまった!!


くそっ!!


一体何をしているんだろう!!


こんな夜中に!!


上着を羽織り、

玄関を出た!!


すると、真下の家からも、

人が出てきた!!


「おい……!!」


真下の部屋の人もパジャマ姿だが、

俺よりオッサンだ!!


「こんばんは……。」


俺は頭を下げた!


「こんな夜中に毎晩何やってんだ!!」


ズカズカと、

足音をさせながら、

外付けの階段を

オッサンは上りながら、

いまいましそうに言った!!


「は?

俺じゃないですよ!

お隣さんですよ!!

このうるせーの!!」


俺はウンザリしながら言った!!


「204号室か!?

そりゃ、スマン!!」


204号室は、

玄関の灯りもついていなくて、

寝ているようだ!!


「おーい!!」


呼び鈴を鳴らしたが、

しんとしている!!


「寝相が悪くて、

熟睡中か!?」


1階のオッサンと、

俺は、

苦虫を潰したような顔で、

苦笑した!!


「眠いから、引き上げる!」


「俺も……。

お休みなさい!」


「おぅ!

お休み!」

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