概要
彼女が妹の命を救うためのお金を男友達に貢いだので、俺は警察に通報した
小川菜月と付き合って六年。彼女はよく、困っている人がいたら助けてあげなきゃ、と言っていた。
去年の冬、俺が三十九度を超える熱で点滴を受けていたときも、三浦亮介から「失恋したから飲みに付き合ってほしい」と連絡が入ると、菜月は俺を置いて出かけていった。
そして今度は、妹の心臓手術に備えて貯めていた三百万円を、勝手に亮介へ送金した。
借金の返済に困っているから、という理由だった。
二人がいる高級レストランへ行くと、個室の引き戸が少し開いていた。
「菜月、あれって美緒ちゃんの治療費だろ? 拓海さんにバレたらどうするんだよ」
俺は足を止め、スマホの録音を始めた。
菜月は亮介の皿に、殻をむいたエビを載せていた。
「美緒ちゃんの手術は明日じゃないでしょ。病院には相談できるけど
去年の冬、俺が三十九度を超える熱で点滴を受けていたときも、三浦亮介から「失恋したから飲みに付き合ってほしい」と連絡が入ると、菜月は俺を置いて出かけていった。
そして今度は、妹の心臓手術に備えて貯めていた三百万円を、勝手に亮介へ送金した。
借金の返済に困っているから、という理由だった。
二人がいる高級レストランへ行くと、個室の引き戸が少し開いていた。
「菜月、あれって美緒ちゃんの治療費だろ? 拓海さんにバレたらどうするんだよ」
俺は足を止め、スマホの録音を始めた。
菜月は亮介の皿に、殻をむいたエビを載せていた。
「美緒ちゃんの手術は明日じゃないでしょ。病院には相談できるけど
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