果ても底もうかがい知れない海原は、古には、浜や川から罪穢れが流しやられ、根の国へと去ってゆく場所と考えられていました。そんな儀式の成れの果てが、正体つかめぬ何物かが、あるいは逆に異界から流れ来たものが、去るべき国へ遣られることなく、波の上を漂っていることがあるのかも知れません――。“それ”の視線には、何が映っているのでしょうか――。
不気味な船と遭遇した漁師のなんとも言えない不吉な予感、そのまま村へ帰ってしまえば。深読みするなら、腐った魚は流行り病を形代に流された人形の呪いの結果だったのかもしれない。語られない言葉の奥を想像して恐怖の余韻を深める良い作品でした。
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