わたしが1%ぐらい昴星人だとして

健野屋文乃(たけのやふみの)

灯と明

「人類には、1%前後、昴星人の遺伝子が入ってる。民族によって前後するけど。例えば、人差し指先に、プラズマを発生できる人は、その濃度はかなり濃い目だと見ていい。だからね、俺は昴星人だと言ったところで、2%くらいに過ぎない。人類にとって忘れられた昴星人だけど、俺はその伝承を引き継いでいる」

と停電の暗闇の中で今後、伴侶になるであろう彼は言った。


そして、彼は人差し指の先に、小さなプラズマが輝かせた。

その灯は、部屋を照らした。

「この能力、初めて役に立ったよ」

プラズマに照らされた彼は嬉しそうに言った。


いきなり彼が異星人だと知らされたのは衝撃的だったが、1%なら大したことはなくない?


なんて事を考えていると、彼はさらに衝撃的な事を言った。

「君も昴星人だよ、それも王家の血筋、お姫様って感じ」

「えっ何で?理由は?」

「まずスバル車に乗ってる。王家の血筋ってね、その昴星人としての強い責任感が無意識に働いて、あの昴の六つ星のエンブレムをみると、ついスバル車を買ってしまうんだ」

「そんな理由で?王家の血筋認定?」

「あと谷村新司の【昴】を聞いて、泣いてた。世代でもないのに、あの時、なぜ泣いたの?」

「それは・・解らない」

「そして、君には内緒で遺伝子検査してみた」

「えっ勝手に?」

「御免、最重要課題だったから、でも結果、昴星人を意味する遺伝子はあったよ。それも王家の血筋を意味する」

「マジ?」

「マジです」

「だとして、わたしは何かしなくちゃいけないの?」

「もうすぐ迎えが来る」

「えっ」


この段階になって、もしかしたら、彼はただスピってるだけじゃない?

って思った。


それも束の間、部屋が明りに包まれた。

包まれてしまったと言った方が良い。


「マジか?」

「断る事も可能だけど、断りる?」

「断る」

なんとなく話の流れで、つい言ってしまった事に、その直後後悔した。

わたしの言葉の後、部屋を照らしていた明りは消え、部屋は再び暗闇に包まれた。

暗闇の中、彼の人差し指の先の、小さなプラズマの灯が輝きだした。


まあいい。

お姫様生活も大変だろうし、彼の灯があれば、わたしはしあわせだよね。



完

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わたしが1%ぐらい昴星人だとして 健野屋文乃(たけのやふみの) @ituki-siso

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