冤罪救済チーム《トゥルース・コード》は、冤罪被害者を救うため、さまざまな分野のエキスパートが集まって結成されたNPO法人だ。一見、完璧に思える事件記録から違和感を見つけ出し、偽りの証拠を暴き、有罪判決を覆していく法廷ミステリーである。
ストーカー男性による殺人事件、ドローンの激突による業務上過失致死、深夜の団地で起きた通り魔事件――。どの事件も「映像・物証・証言」が揃い、被告人の有罪が濃厚な案件ばかり。しかし、代表の御堂慎一は「完璧に思える証拠ほど疑わしい」と語る。
監視カメラの映像はすべてを映しているのか。物証は改ざんされていないのか。証人の記憶は正しいのか。事件記録をひとつひとつ検証し、わずかな矛盾を見つけ出す。有罪の決め手となった証拠が、今度は無実を示す証拠となる逆転劇が痛快でもあり、少し怖くなる。
現代人の私たちは、わかりやすい善悪を求めがちだ。SNSやニュースで得た情報を真実だと思い込み、深く考えずに誰かを悪だと決めつけて正義に酔ってしまうことがある。果たして自分が見ているのは本当に真実なのか、自分たちもまた冤罪を生み出している側ではないのか。裁判での真実が齎す危険と救済を描いた一作です。
(「法の名のもとに」4選/文=愛咲優詩)
「つくられた証拠」による冤罪を救うため、有罪判決の逆転に挑むチームの物語です。
広い、深い、熱いの3拍子で楽しませていただきました。
まずは広さ。扱う事件も、真相を解き明かすアプローチも、バラエティに富んでいます。色んなエキスパートが揃ってるチーム物が好きな人、絶対に読んで正解です。
続いて深さ。非常にディティールが細かいのです、普段はまず目にしない専門用語がバンバン出てくる。「その道のプロとして」という説得力が圧倒的ですし、自分の知らない世界を垣間見えるのも楽しいです。
そして、熱さ。
このチームが挑むのは、確からしい証拠を基に下された有罪判決です。正義という逆風が吹きつける中、被告人の人生を取り戻すべく、彼らは細い糸をたぐって真実へと近づいていきます。
科学的で理詰めな追究が魅力的な作品です、しかしロジックだけじゃない。人が人を信じる心、非道を許さない情熱があってこそ、救われる人がいる。
専門家たちのアシスタントを務める弁護士志望・陽菜の成長物語としても、とてもグッときました。
傑作です。好きになる人は僕以外にも大勢いるはずです。どうかお見逃しなく!
どうしてこんなに面白い小説が埋もれているのか、訳が分かりません。
書籍化してほしいっていうか書籍化されてておかしくないと思います。
まず、第一話(第一章)の時点でぐいぐい物語へ引き込まれていきます。
死刑執行直前というセンセーショナルな場面から一転、実はそれが冤罪によって、罪のない第三者が刑に処されていたかもしれない危うさ…。
実際に起きている司法の問題をエンターテインメントとして昇華し、リアリティある手触りで読み解いていける本作『トゥルース・コード』は、新しい司法エンタメミステリーと言って過言ではないと思います。少なくとも私は『判決を超えて』を全部読んでそう感じました。
続きも楽しみにしております!