概要
誰だって、好きで人を殺すんじゃない。
そこには、殺さなければならぬ理由があった。
――カンエラ王国の勇者を殺したのは、王国最強と謳われた二十二将が一人、アロ・ヴェロキ。
殺した。
彼は、私は…俺は、勇者を、殺したのだ。
ただ、それだけである。
殺して、記憶を覗く。
開いて、勇者の悪事を暴く。
彼女の名声を地に落とす。奴は、不義だった、あの女は、国賊だ。
それほどまでに――
「あの女が、憎い!」
「……やめろ」
「記憶に、入ってくるな」
なぜ、あの女は――
最後に、微笑んだのだろうか。
「あぁ…君も、日記を覗いたんだね」
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