泥にまみれた村娘セルミナ。風と気象を読む異能の結晶「ファリアブランドール」と父から受け継いだ経済と地質の知恵を使って、武力ではなく痛みを伴う天秤の釣り合いを取る事で山の民が飢えと滅びの道を歩まぬ様に魔女と呼ばれながらも進んでいく物語…。
初め殺意を持った相手も次第に彼女へ畏怖の念を抱きます。
この物語で私がぐっときたのは「天秤」の釣り合いを取ろうとするセルミナが時に仲間を思う心から焦り間違えてしまう…そんな場面…。いつも正解ばかりではない…時には間違えてしまう、けれどそこから間違えを認め、後悔し、ちゃんと自分の真っ直ぐな気持ちで相手に向かっていくセルミナのその姿です☆
そして過酷な環境で生きる人々のそれぞれの思いに胸を打たれます。
気がついたら泣いてました☆
胸打つ物語ぜひ読んで頂きたいです!
「奪い合うな、補い合え」というキャッチコピーに惹かれて読み始めましたが、想像を遥かに超える重厚で熱い戦記ファンタジーでした。
主人公である泥だらけの村娘が、圧倒的な権力や理不尽に立ち向かいながら、知恵と「天秤」を武器に運命を切り開いていく姿が非常に魅力的です。単なる力のぶつかり合いではなく、経済や人々の繋がり、そして互いを補い合う泥臭い人間ドラマが丁寧に描かれており、ページをめくる手が止まりません。
登場人物たちの感情の機微や、過酷な世界の中でも決して折れない誇り高い生き様に何度も胸が熱くなります。重厚な世界観や、じっくりと読ませる骨太なファンタジーが好きな方に心からおすすめしたい傑作です!今後の展開も楽しみにしております。
この作品は、豊かな資源と過酷な自然を抱える山岳地帯を舞台に、一人の村娘が知恵と交渉によって対立する部族を結びつけていく、異色の異世界戦記です。
主人公のセルミナは、風や地質を読み取る不思議な力と、亡き父から受け継いだ経済の知識を武器に、貧しい故郷を守ろうと立ち上がります。
特に面白いのが、争いを武力で解決するのではなく、なぜ人々が奪い合わなければならないのかを考え、互いに不足しているものを補い合うことで、共に生き残る道を探していくところです。
また、どれほど正しい理屈であっても、相手の誇りや過去の痛みを無視すれば、人の心は動かせないという問題も丁寧に描かれています。
セルミナ自身も決して完璧な人物ではなく、大勢の命を背負う重圧に苦しみ、ときには判断を誤りながら成長していきます。冷静な交渉の裏にある、彼女の不器用な優しさにも魅力を感じました。
奪い合いから協力へと人々の関係が変わっていく展開には、作品の「天秤」というテーマがしっかりと表れていると思います。
序盤までの紹介となりますが、知恵と人への思いやりを武器に、セルミナが対立する部族や大国との関係をどのように変えていくのか、これからも追いかけて行きたいと思います。