概要
「若様」って呼ばれたけど、僕、食われそう。普通の高校生活に戻らせて。
【毎日更新】【全45話・完結保証】
「若様、お待ちしておりました」
振り返った。誰もいない。
ついでに、さっきまで歩いてきた通路もなかった。
高校に入って二週間。片耳のイヤホンを探しに来ただけなのに、新宿の地下に木の改札が立っていた。
「ここ、何線ですか」
「列車は通りません」
だったら、なんで駅員の格好をしてるんだ。
駅員は僕を「若様」と呼び、教えてもいない名前を知っていた。
水路の足場。上がってくる黒い水。水の底に、丸い窓ほどの目。
足をつかまれた。
引きずり上げてくれたのは、灰色の獣だった。
――うちの老犬、がじゅまる。家の玄関で寝ているはずのやつが、狼の姿で。
「お帰りなさいませ」
「帰れてないです」
やっと家に帰ると、脈がなかった。
「若様、お待ちしておりました」
振り返った。誰もいない。
ついでに、さっきまで歩いてきた通路もなかった。
高校に入って二週間。片耳のイヤホンを探しに来ただけなのに、新宿の地下に木の改札が立っていた。
「ここ、何線ですか」
「列車は通りません」
だったら、なんで駅員の格好をしてるんだ。
駅員は僕を「若様」と呼び、教えてもいない名前を知っていた。
水路の足場。上がってくる黒い水。水の底に、丸い窓ほどの目。
足をつかまれた。
引きずり上げてくれたのは、灰色の獣だった。
――うちの老犬、がじゅまる。家の玄関で寝ているはずのやつが、狼の姿で。
「お帰りなさいませ」
「帰れてないです」
やっと家に帰ると、脈がなかった。
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