概要
「白石、ちょっと損したね」――十四歳の君が笑った。
破談の痛手を負って深く傷ついた25歳のマイカは、5月の渇水期にだけ湖底から姿を現す赤レンガの遺構で、14歳の少年・ナルミと出会う。14歳らしい等身大の言葉でマイカの鬱憤を受け止めてくれるナルミだったが、彼の時間は、ある「誤解」と悲しい記憶のなかで止まったままだった。傷ついた大人の女性と、時を止められた少年。悪意のない優しい結界のなかで、二人が見つけた「生きること」への確かな肯定。水が満ちる5月31日、静かで瑞々しい別れの時間が訪れる――。
※アルファポリスにも連載中です。
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