産まれた時から記憶にある少女の姿を求めて石を刻み続ける男性。
唯一の理解者だった兄が行方不明になり、誰とも交流せずただひたすら彫刻に打ち込んでいた彼をある日地震が襲う。
精神を削るようにして彫り続けた少女の像が砕け散り、家を飛び出した彼が出逢ったのは『透明人間』。
その姿の見えない彼女こそ彼が産まれた瞬間から追い求めていた彼女だった。
不思議な存在との共同生活は、彼を彫刻家から労働者へと変え、見えない彼女との幸せな日々が過ぎていく。
そして、無情にもその終わりが来るのだが——。
どこまでも美しい文学作品です。
狂おしいほどに運命の相手を求め続ける男性の姿と、彼女に出会ってからの光が輝くように見えてきます。
透明な彼女は彼の中では形となって見えているのでしょうか。
運命の伴侶を失った彼は……?
ぜひこの結末までどうぞ。