概要
婚約は破棄。契約は破棄できません。
侯爵家の嫡男レオンハルトから、夜会の真ん中で婚約破棄を告げられた男爵令嬢エルネスタ。理由は「妹のほうが可愛いから」。周囲の令嬢たちがくすくす笑う中、エルネスタは静かに一枚の書面を取り出した。侯爵家がこの三年、商会名義で借り続けてきた莫大な借金の借用書――貸主は、亡き父の商会を継いだ彼女自身だった。「婚約は破棄でかまいません。ですが契約は別です。期限は三十日。返せないなら、担保を一つずつ回収します」。名馬、馬車、屋敷、鉱山、そして借用書の最後の担保欄に書かれた、もう一つの品。回収に立ち会う王家の若き監査官ユリウス公爵は、契約書一枚で侯爵家を追い詰めていく彼女に「面白い」と目を細め、やがて自分の身に引き受けたくなる借金の話を持ちかける。これは、婚約を失った令嬢が、契約を武器に取り戻していく物語。
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