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概要
義の名の下に、人は何を失ったのか。
戦国末期、上杉家臣・柿崎兵庫は、主君直江兼続の命を受け、戦の真実を記した「黒い箱」を守る役目を負う。だが、そこに記されていたのは英雄たちの輝かしい武功ではなく、名もなき兵士たちの悲しみ、勝者も敗者も救われない戦の現実だった。長谷堂の戦いで抱えた罪と向き合う兵庫は、英雄とは何か、歴史とは誰のために残すものかを問い続ける。やがて彼は、戦を生むのは義ではなく、人間の欲望や虚栄であることを悟る。英雄の名ではなく、忘れられた人々の名を未来へ継ぐ――一人の武士の最後の戦を描く歴史長編。
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