概要
届かなかったんじゃない。君の想いは、僕の描く色の中にあった。
長野県の山あいの町。巨大な一本楓の下で育った幼なじみの湊(みなと)と楓(かえで)。高校卒業を機に、画家を目指し東京の美大へ進む湊と、地元に残る楓は、ある一つの約束を交わす。「毎年、最初の一葉が赤くなったら、手紙で近況を知らせ合おう」一年に一度だけ届く、鮮やかな赤色のカエデが添えられた便り。離れていても、その「朱色の約束」だけが二人を確かに繋いでいた。しかし、大学四年生の秋。待てど暮らせど手紙は届かない。焦燥感に駆られた湊が送った手紙は、無機質なスタンプと共に戻ってきた――【宛先不明】。携帯も繋がらない。不吉な予感を胸に数年ぶりに帰郷した湊を待っていたのは、あまりにも残酷で、あまりにも優しい「嘘」の真実だった。途絶えた便りの裏に隠された、彼女の祈りとは――。これは、一本の楓の木がつなぐ、切なく
私のこと、知ってくれてありがとね。
私の物語が貴方の胸に届きますように。
私の物語が貴方の胸に届きますように。