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概要
出なかった電話も、かけなかった電話も、恋のうちだった。
携帯電話もメールも、まだ手元になかった1980年代。約束は手帳の端に書き、返事は留守番電話に吹き込んだ。十人の「私」の、恋と、その手前と、そのあと。鳴っている電話に出るか、出ないか。今夜のうちに言うか、言わずに帰るか。一編ずつ完結する十の短編を、アルバムの曲順のように並べました。どの編から読んでもかまいません。十人の「私」のなかには、同じ夏を別の側から見ていた人もいます。ある編にいた誰かが、別の編にふらりと姿を見せることも。
■MIND MIRAGE
学生時代から九年、恋人とは呼ばないままの相手がいる。二十七歳の私は、留守番電話に吹き込まれていく彼の声を聞きながら、受話器の手前で指を止める。
■Friday Elsewhere
金曜の夜は、彼の部屋へ行く日と決まっていた。付き合って四年が
■MIND MIRAGE
学生時代から九年、恋人とは呼ばないままの相手がいる。二十七歳の私は、留守番電話に吹き込まれていく彼の声を聞きながら、受話器の手前で指を止める。
■Friday Elsewhere
金曜の夜は、彼の部屋へ行く日と決まっていた。付き合って四年が
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