クリスマス特別SS『聖なる夜は星に願う』
この週末が過ぎて、後一週間もすれば年明けかぁ……。
未だに口にしているのはマンガ肉ときな粉汁……。
そろそろ本当に水とか違う物が欲しい。
うん? 師匠が珍しく服を着てるね?
真っ赤な衣裳だけど。
「師匠、どうしたんですか?
珍しく服を着てると思えば真っ赤な服なんて着て? 漸く、冬は寒いと言う事を理解されたので?」
「ふむ、これは初代様の頃より続く、この時期に行われる行事の【聖☆闘衣(セイント・クロス)】の衣裳だッ!」
……なんかヤバそうなネーミングだけど?
赤くて、白いふわふわが付いていて、セイント・クロス………サンタクロースかな?
初代様も転生者なのかな?
「因みに行事の名前はなんて言うんです?」
「確か【狂う、始末】だったか?」
「随分物騒な行事ですねっ!
……ひょっとしてクリスマスですか?」
「応ッ! それだッ!」
「で、その格好をして何をするんです?」
「この一年、健やかに良い子で過ごした童に贈り物をくれてやるのだッ!」
この師匠の言い方だと鉄拳でも贈りそうな気がする……。
でも、こんな優しい行事をかって出るなんて、師匠もお優しいね。
「弟子よ、お主も着替えるが良いッ!
着替えて、贈り物を届けに逝くぞッ!」
だから、誰か殺しに行くとしか思えない……。
―――――――――
――とある孤児院――
「お兄ちゃん、今年はセイント・クロスさん来るかな? 私、今年も良い子にしてたよ?
来るといいなぁ」
「大丈夫だ。 お前が良い子にしていたのは、ちゃんとセイント・クロスさんも判っているさ!
それじゃあ、一緒に神様とセイント・クロスさんにお祈りするぞ?」
「あの一番キラキラしてるお星さまに、おいのりをするんだよね?」
「「神様、セイント・クロスさん、今年も良い子にしてたので、贈り物をください!」」
バァァン
「ふははははははははははははッ!
悪い子はおらぬかッ!
泣く子はおらぬかッ!
………………うむ、おらぬ様だなッ!」
途中で、なまはげ混ざってるよ?
「善しッ! 今年も良い子で過ごして偉いのう、ほれッ兄の方にはグレートソード、妹にはショートソードだッ!」
ヱ?
「やったぁ! お兄ちゃん、みてみて! これ、にあうかな? これでゴブリンもザクザク出来るねっ! お兄ちゃんも、とてもカッコいいっ!」
「へへっ! これでジャイアントボアだって一撃で仕留めてやるさ!」
武器を貰って喜んどるっ!
流石『狂人の国』ヴァンフォルスト、英才教育過ぎるっ!
『『『あ、セイント・クロスさんだぁ!』』』
『応ッ、お主等も良い子にしていたようじゃの? ほれッ、お主にはこのウォーハンマーをくれてやろうッ! お主には……………』
そりゃ、こんな小さいうちから嬉々として魔物を狩っていたら、強くもなるよね……。
聖なる夜に、心を込めて星に願いをした、恵まれない子供達に、ひたすら武器を贈ると言う、私からしたらクリスマスではなく、【狂う週末】を過ごしたのであった。
でも、みんな嬉しそうにしてたから良いか。
来年も良い事あるといいね!