ルイス・サッカー「穴」(幸田敦子 訳 講談社文庫)を読みました。今年ナンバーワン。まだ三ヶ月しかたってないですけどね、今年。それと、一九九八年の作品ですけどね、この本の出版年。
この小説を読んでまず思ったのは、はたして、ビジネス書を読んで世の中泳いでいこうとするのと、この小説を読んでそうしていくのと、どちらがふさわしい本なのか、ということ。
ぼくは、この本を読み込んだら、そんじょそこらのビジネス書なんてまったく太刀打ちできないんじゃないか、と、思ったのでした。
読めばわかる、とまでは言い難い。しかし、主人公が、自分は、自分である、との認識に至る過程は秀逸です。彼がなぜ生かされているのか、出自の謎を巡る一見つらい旅路なのです。
とてもおすすめ。タメになります。高校受験を控える人たちあたりに読ませたいなと思ってしまう。このあたりの年代で、「自覚」できたら最強だと思う。
ま、小説がタメになる/タメにならないに関しては「勝手なこと言ってらあ」と思ってくださってけっこうかと。ぼくもヒマじゃないので解説はしません。[ヒマを持て余した神じゃない]=[凡人]ですのでね。
それにしても「穴」が好き、なんて表だって叫ぶなんて、なんかやだわ。叫ばないけど。