• SF
  • 現代ドラマ

現在の執筆状況について。

 湾多には珍しい、本物の近況報告です。

 書くまでもなくみなさんお気づきでしょうが、湾多は五月以降連載が遅れがちで、かつ新作も出しておりません。

 いや、書くことは書いてるんですよ。が、なかなかアップにまで行き着けないでいます。と言うか、書けば書くほどボツファイルが増えていくというか……なんか、そういう沼地にすっかりはまり込んでしまってるような感じですねー。

 こういう時は、とにかく出来上がるまで書き続けるしかないんですが、反面、全くの第三者が見物してる分には案外おもろい状況になってるんかも知れん、とも思いまして、だったら状況報告を兼ねて記事にしてみようかなと。
 いっそのこと、春先でやったみたいにエッセイ形式で「書けねえぞ日記」を作る手も考えましたけれど、文章としてそれほど面白いものにはまとめられそうにないんで、この場で手短に説明することにします。

  + + + + + + + + + + + + + + +

 さて、今現在の湾多は「すぷりんぐ・うぉー」と「クラヴィフィリア」なる連載二本を同時進行しておりまして、いずれも不定期更新と銘打っておりますけれど、この春以降は二本ともおおねむ月一前後のペースで書き進めています。
 二つの作品を等しく毎日少しずつ書き進められればいいんですが、湾多は複数作品を並行進行させることがどうにも苦手で、現状では一週間から十日ぐらいで特定タイトルの一回の連載分を書き上げ、アップ出来たら別の作品に移り……という書き方を続けております。

 で、連載の二作にだけずっと集中するんなら、こういうのを二週間単位で切り替えていけばいいんですけどね。時々は短い単発作品も書きたい。とりわけ、この春から「音楽短編おもちゃ箱」なるコレクションをぶっ立てて、「年に四作は書きます」なんて言ったもんだから、五月の半ばを過ぎたあたりから、そろそろ次の構想を、といくらか悩ましい気分になってました。

 五月の連休明けに「とっても走りたい気分」をアップした直後ぐらいでしょうか、細かい経緯は伏せますが、ふと、音楽小説のネタに「次はフルクサスをテーマにしてみようか」と思い立ちました。連載の片手間に書けるような話ではなさそうなので、当然十日か半月ぐらいスケジュールを割り込ませる形になります。とはいえ、連載分はいずれも次の回のプロットが頭にできていたので、それほど予定が崩れたりはしないだろうと思いました。
 思えばこれが果てしない沼地の踏破行の始まりでした。図式化するとこんな感じ。


 「すぷりんぐ・うぉー」  →
 「クラヴィフィリア」   →
                    ↑
     (フルクサスっぽい何か) 割込み ---


 フルクサス、という言葉を聞いても、ほとんどの方は「それ何?」と返されることと思います。多分ググっても今いちようわからん説明しかないと思うんで大雑把に言うと、今から五、六十年前にアメリカを中心に広まった、前衛芸術活動の一種とでも言いますか。音楽・美術・文芸・その他のボーダーレスな領域で展開された、ダダイズムの親戚みたいな流れの、カッコ入りで「パフォーマンス」と呼ばれたものをさらにとんがらせたような、とにかくアートの一概念です。
 ちゃんとした説明は作品中にきちんと入れるつもりですけれども、かくもかように説明しづらい、二十世紀文化のかなりニッチな分野を、湾多は小説のテーマにしてみようと思ったわけですね w。無謀だ、とは思いましたが、無謀の先に開けるものがある、とも考えたんですよ、最初の二週間ほどは。
 構想段階では二転三転しましたが、何とかストーリーの形にプロットもまとめ、オチもいい感じで作れたような気がして、三千字ほど書いてみました。
 止まりました 大笑。
 どこで行き詰ったという感じではなく、書けるところまで書けば、多分最終場面まで書き進められそうではあったんです。が、ラストの、決めぜりふっぽいモノローグが出てくるシーンまで脳内で早回しシミュレーションしてみると、なんだかしっくりこない。何がどうズレてるんだかよくわからないけれど、少なくともこれはフルクサスなんて難物をわざわざテーマにする意味がないんではないだろうかと思えてきて、こうなるともう中断するしかありません。

 一時は最初の構想で二転三転した時に考えたボツ構想を引き戻して、別ストーリーでフルクサステーマに取り組み直すことも考えましたが、そっちもなんだか、という手ごたえだったんで、音楽短編の夏向け原稿として、かねてから温めていた別の話を引っ張り出すことにしました。図式化するとこんな感じ。

 「すぷりんぐ・うぉー」  →
 「クラヴィフィリア」   →
                     
     (フルクサスっぽい何か) 中断・分析作業 →
                            ↑
         音楽短編夏テーマの新作 割込み  -----  


 こっちの方は、書き出したらなんとか一息で仕上がりそうでした。が、いい加減日数が経っていたので、六月分相当の連載二本をいったん先に書くことになり、中途半端にプロジェクトが止まる形になりました。連載に切りがついて、さて続きを、と頭を戻そうとするも、フルクサステーマの問題点は何だったのか、そっちの方がどうも気になって、すいすい新作を進められる気分になかなかなれません。

 こんなことをしていると、じきに次の連載アップに向けての時間切れになる、と危惧していたある日、これはもう七月に入ってたんですが、街中でハンドルを握っていた湾多は、ふと市役所の横を通り、その瞬間に急に選挙テーマのバカ話を一作書きたくなってしまいました ^o^。まあこんなものいつ発表してもいいんだけど、やっぱり時事ネタだし、七月二十日前後にはアップしたい。
 かくてこういう図式にまで発展してしまったのですね。

 「すぷりんぐ・うぉー」  →
 「クラヴィフィリア」   →
                     
     (フルクサスっぽい何か) 中断・分析作業 →
                            
         音楽短編夏テーマの新作 サスペンド →
                            ↑
            選挙ネタバカ話 割込み   -----

 という状態で、この一週間ほど推移してきたんですが、思ったより新作バカ話は進展がなく、でもきちんと最後まで書ききれるかどうかいつになく不安な感じなんで、最初の一、二回を書き上げただけで見切り公開にまでは踏み切れず、もうしばらく話が走り出すまで温存中。ただ、そんな感じで書いてると、アイデアが少しずつ色あせて見えてきたりもするんで、先日などはふと、「この話、ほんまにおもしろいかぁ?」などと原稿を読み返しながら、しばし疑惑の目を注いでしまったりとか……。
 なのに、おかしなもので、そういう時に限って新作ネタみたいなものが急に脳内にあふれかえったりするものでして、一昨日は夕方数時間のうちに三本ほど新規構想が頭の中を駆け巡り、まあ短そうな話だし、メモはしましたけれど、この状況でさらに割り込みかけていいもんなんかどうか。


 「すぷりんぐ・うぉー」  →
 「クラヴィフィリア」   →
                     
     (フルクサスっぽい何か) 中断・分析作業 →
                            
         音楽短編夏テーマの新作 サスペンド →
                            
            選挙ネタバカ話 少しだれ気味 → → → →

               ブラック系ホームドラマっぽい何か 割込む?
               叙述トリック系ショートショート  割込む?

 そうはいっても、「すぷりんぐ・うぉー」書いたんで、「クラヴィフィリア」の方も一旦先を書いておきたいんですよね。けど今の情勢だと選挙ネタが最優先か? それとも――

 というのが、七月十七日現在の湾多の執筆状況でありました。結局一つも新規公開はないままなんですが……。
 この後はここしばらくの反動で新作発表が相次ぐかもしれないし、なおもうだうだとボツファイルを拡張し続けることになるかも知れず w。

 おお、そういえば三月のエッセイで事実上の予告みたいな感じで他にもバカ話を保留掛けてたんだった。あれも意欲が萎える前にはよ書かんと、とは思ってるんですけれども……。

 まあ読者の皆様方には、時々ひやかしがてらにでも様子窺いにお寄りいただければと。

7件のコメント

  • マイペースでよろしいかと。
    何よりも自分の納得が大切です。ガンバ!(#^.^#)
  • わーい、スタッド仲間がいるー(白目)

    私もまんまそんな感じです。一言で言うと脳内でネタが渋滞しててにっちもさっちもいかないというか。最近どうにか交通整理して、一つずつ片付ける態勢になったところです。私はこれに読むほう感想書く方も並んでて、まずはそっちからと。

    ネタって思いついた瞬間、書くべき瞬間てのがありますよね。寝かすと閃いた時に感じてた面白さや魅力が逃げてしまうというか。ストックしすぎるとなんでこれを書こうと思ったか忘れたりとか。
    私だけではなさそうで安心しましたw

    とりあえず、ようやく読みが追いつくので、またお邪魔させてもらいます。秋に始める恒例の企画までに調子を取り戻さないと、えらそうに批評とか出来ない……!w
  • 明日乃たまご様

    励ましのコメントありがとうございます!
    もうここまでくると、何がマイペースなんだって問題ですけどね……。

    >何よりも自分の納得が大切です。

    む、これはなかなかに響く言葉です。まあ引き伸ばしすぎると今度は焦りでメンタルがおかしなことになっていくんで w、その手前ぐらいまでじっくり自問自答しつつ、進めていければと思います。お気遣い感謝です!


    梶野カメムシ様

    コメントありがとうございます! というか、梶野さんあたりから共感のお言葉をいただけるのではないかと期待しつつ書きました 笑。

    >ネタって思いついた瞬間、書くべき瞬間てのがありますよね。

    なんでか、筆のノリと関係なくネタが次々に脳内孵化する時期というものがあるようで、嬉しいんだけどしんどいですね。着想と同時にぶっ続けで書けるような環境にいればいいんですが、えてして忙しい最中にそういうことが起きがちで。

    私の現状はこんな感じなんで、この頃は他の方々の作品を読みまわるのが最低限っぽくなってます。梶野さんの場合はもはや批評活動と言ってもいいぐらいなんで、ペース配分も大変かと。まあこれから真夏に向かうと、指先で小説書いて目先で小説読むぐらいしかやってられなくなるから、少しはこっちの活動もはかどるかもですね。ん? そんなものぐさな夏仕様は湾多だけ?
  • こんなふうに、創作の裏側を垣間見るのも興味深いです。複数作品を並行進行させられるとよいと思いますが、私もどうもうまくいきません。とにかく1つを終わらせてから、次の作品というふうで。と言っても、発表しないまでも書き続けている湾多さんを、自分と比較するのはおこがましいのですが。この話おもしろいか? という思いは、私も書いていると常につきまといます。自分を信じる強さが必要なのでは、と最近感じています(笑)。
  • @sakamono様

    こちらでもコメントありがとうございます!

    創作の裏側と申し上げるのも口はばったい、ぐだぐだな執筆ダダこね日記をお目にかけて恐縮です。うまく行ってないんだから言い訳せずに引っ込んでりゃいいんですが、御大層な構想だけどんどん増殖していく状況が、見ようによってはある意味ギャグではないかと思い、書き出してみました次第。

    複数作を同時進行できる人ってやっぱり少数派ですよねー。それぞれの作品の出来不出来にまったく頓着せず、何作もの原稿を一日にマルチ進行できたらどれだけいいかと思います。あれはでも、必要に迫られないと身につかないものなんでしょうかね? 進行表に追い立てられる事もなく、締め切りも気にせずいつまでも悩めるのはアマチュアの特権ではありますんで、平和な創作生活を謳歌していると思えばそうなんですが……。


    「自分を信じる強さ」……なんだかいい響きです。いい響きなんですけど、わが身のこととして考えると、それは「自分を甘やかすええ加減さ」とどこで峻別できるのか、そもそも違いがあるのか、どうにも不分明です 笑。むしろ今必要なのは「あかんものをあかんと諦める潔さ」なんではないかとも思いつつ……まあ、もう少しだけあがいてみましょうか w

  • うわ、これ気づいてなかった!
    気づいてたら、なんかニヤニヤしながら読んでた気もしますがw
    八月の話かと思ったら七月の話でびっくりですw
  • コメントありがとうございます!

    あー、そういえばこれ、もう一か月前の話か……公開こそ始めたものの、ほとんど進んでないような気がするw

    まあ最後の方のショートショート以外は何とか形にする目算がついてきてるんで……しかし、全部書き終えるのいつかな……そうこうする間に、今月分の連載を早く、と目先のタスクに追われ続けるパターンとなっております。これは秋もしばらくは(気分だけ)詰め詰めになりそうな予感。筆は滑り出したんですけどね、なんだろうね、全然「スランプを脱した!」って感じがしないんですよね 笑。

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する