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はじめまして


 「与餌れ(よじれ)」を執筆している小鳥遊 愚香(たかなし おろか)です。

 カクヨムというサイトにまだ慣れていないので、不義理をしたり、失礼があることを先にお詫び致します。



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 恥ずかしながら、私の趣味は執筆活動で、学生時代からコツコツと掌編小説を作り続けている。


 成人してから、公募で何度か小さな賞をいただけたこともあり、ますますその気になってしまう。結局、引き際が分からなくなっていた。

 長編小説となるとまるでダメだった。一次選考にすら掠りもせず、半年以上真剣に頭を悩ませて創り上げ、さらに半年以上選考の結果を待ち続けたのに、成果は0。

 何の手ごたえもなく、1年間を溶かしたのだと思うと、気持ちが追いつかず、具合が悪くなりそうだった。元来、人より弱い胃のコンディション次第では、本当に吐いた。

 それで30歳を境に、私は資格の試験勉強をすることにした。半年以内の勉強時間で取得可能な、比較的難易度の低い資格を取得することで、手ごたえのなかった前半の半年の創作活動の罪滅ぼしをしてるのだ。

 現在、簿記二級に挑戦中。勉強自体は嫌いではないし、新しい知識を増やすことは素直に楽しい。目標のために集中し、そして達成したという経験は、生きていく上でも役に立って行くだろう。
 もう2度と小説など書くまいと、指南書の類を全て古本屋へ売り飛ばした。

 創作の悪魔が私に取り縋るのを、強か痛めつけて、中指を突き立ててやる。筆を折り、暫くは心穏やかに過ごしていた。

 ところがである。実家の山形に帰省した時、猛烈に小説が書きたくなった。夫との離婚騒動(未遂)の少し後であった。

 幼子と奥さんの手前、本当のことは告げず、いつも通りの出勤の体で私と合流した弟と、釣り堀で時間を潰していた時のことだ。

 釣り堀を縄張りにする猫たちが、我々の釣り上げた魚を狙っていた。たくましいと思った。

 それで、その足で100円均一へ向かい、ウィリアム・モリスの柄のノートを買った。すぐにアイディアが固まって、「与餌れ」になった。

 私に痛めつけられたせいで、まだ松葉杖をついている創作の悪魔は、怯えた目で私を見た。
 私は突き立てた中指を下ろして、キツネの形を作る。悪魔はきゃっきゃと笑った。

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 こうして自分を、創作の悪魔を、騙し騙し書いていくことになると思います。

 長い目で見守っていただけたら、幸いです。

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