※四章はラインハルトとカインハーストの過去編であり、本編には直接関係のない話になっています。端的に言えば、どれだけの状況を潜り抜けて、今の二人があるのか、というお話です。「戦記物苦手!読みにくくてしんどい!」という方は飛ばしていただいても大丈夫です。
【四章:火竜を狩る騎士】
時は十年前。
ローゼンベルク帝国とドラコニア公国が戦争を続けていた頃。
十六歳の第一皇子カインハーストは、従軍実績を積むため、敵の主力から遠く離れた安全な中継地へ配属されていた。
しかし、現れるはずのないドラコニア軍と火竜の襲撃によって戦況は一変。
帝国軍は壊滅的な被害を受け、撤退を余儀なくされる。
その戦場でカインが出会ったのが、同じく十六歳の傭兵ラインハルトだった。
皇族として育ったカインと、戦場で生きてきたラインハルト。
育った環境も考え方もまるで違う二人は、当然のように反発し合う。
それでも火竜を倒すため、ともに作戦を考えるようになった二人。
そんな中、今度はカインを狙う刺客が現れる。
安全なはずだった戦地への火竜襲来も含め、第一皇子を殺すために仕組まれた罠だったことが明らかになっていく。
敵兵、火竜、そして味方の中に潜んだ刺客。
生き延びるために背中を預け合った二人は、やがて火竜を地上へ引きずり下ろす作戦に挑む。
多くの兵士や工兵とともに火竜を地上へ縫い止め、竜騎士アランを退け、最後にその頭蓋を叩き割ったラインハルト。
瀕死となった彼を戦場から連れ帰ったのは、カインだった。
こうして、後に帝国の第一皇子と英雄として並び立つ二人の、十年にわたる関係が始まった。
