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ナツガタリで語ったり! 第二号

こんばんは。アロハシャツを解禁しました飯田です。もういいだろ夏で……。梅雨子ちゃん? 俺の隣で寝てるからよ……。

さてさて、『ナツガタリで語ったり!』第二号です。
今回は、そうだなぁ、しゅうすみシリーズのイメージ曲について語りましょうか! 

前に、秀平と花純にはそれぞれイメージ曲がある話をしたと思います。

秀平→KANA-BOON『それでも僕らは願っているよ』
花純→高橋李依『アオハルインクルージョン』

です。
でもまぁ、きっと物書きあるあるなんじゃないかなぁ? 自作にイメージ曲、つけません? それ聴きながら執筆したりしません? 
僕はするんですよ。ええ。なのでしゅうすみシリーズ三作それぞれに「聴きながら書いていた曲」というのがあります。
それぞれご紹介! 

『開けてしまった密室』
→KANA-BOON『彷徨う日々とファンファーレ』
爽やかな曲です。疾走感ある。ちょうどこのくらい、本来の梅雨が来ている時期に聴くとむしむしジメジメが吹っ飛ぶんじゃないかなぁという爽快感のある曲。なんとなく秀平のイメージで選んだ曲ですが、花純ちゃんの、自分を試すべく「えいっ」と事件に飛び込む姿勢も反映されているような? 
何にせよ、青春! って感じの曲。よかったら聴いてみてください。

『ツリーハウス殺人事件』
→瀧川ありさ『さよならのゆくえ』
作中に出てくるある言葉が……事件現場に残っていたあのタイトルがこの曲から生まれました。聴いてくれれば分かるはず。これだけ西尾維新の『物語シリーズ』のエンディング曲に使われていました。なので仮にしゅうすみがメディアミックスされてアニメ化されてもこの曲は使えないかな(などと大言壮語)。
真崎さんが歌っているイメージです。こういう世界線、あればよかったのにね。

『三通のダイイング・メッセージ』
→WEAVER『Shall we dance』
このバンド解散しちゃったと思います、確か。なので新曲はもう出ないんですよね……寂しい。
さておき、軽快なテンポのすごく明るい曲でまさに「パーティ!」って感じ。作中の、豪華客船上で開かれる大規模同窓会、ジェネレーション・ホームカミングのイメージで選びました。大勢の客が行き交う会場の、ステージの上。きっとこういう曲を演奏する人も用意されていたでしょう。ピアノがかっこいいんですよねこの曲。そういうところも含めてパーティっぽいな、って。サビの明るい曲調が、豪華客船のイメージとぴったり合いました。

よし、せっかくだからそれぞれの作品の思い出についても語りましょうか。

『開けてしまった密室』
制作秘話については前回語りましたね。別のことを話しましょう。
本作、飯田初の「読者への挑戦」を入れた作品だったのですが、百点満点に近い解答をする人がたくさんいました。「あれ? 読者への挑戦、意外といける?」なんて確信を持ったのもこの作品。
なので、これから読むよという方。「読者への挑戦って難しそう……」「絶対分からないよ……」なんて思わずどぼんと飛び込んでみてください。分からなくても大丈夫。飯田はおしゃべりなので応援コメントへの返信でボロボロヒント出します。もちろんそれを使って推理してくれても問題ありません。ハードコースに挑戦したい人はしゅうすみから「挑戦」が来たところで自分の推理を残してみてください。受けて立ちます。

『ツリーハウス殺人事件』
実はこれを書こうとしていた時、悩んでおりまして。
推理小説はややもすると登場人物が記号的になります。探偵は謎を解けばよく、犯人は謎を作ればよく、脇役は適当に「分からん分からん」って言っていればよく、要するに、極端な書き方をしてしまうと登場人物の情緒もへったくれもなくなるリスクを持つのが推理小説というやつなのです(そう、僕は思っています)。
で、これを克服したい、登場人物の内面をしっかりと掘って、なおかつ「ロジックごり押しでいく」本格推理小説を書きたいと思っていました。
それでですね。これに悩んでいた時、オフ会がありまして。
日頃から親しくさせていただいている一初ゆずこさんという作家がいます。この方、すごく表現が濃厚で濃密で、作品を読むと情緒をガンガンにシェイクされるのですが、何か参考になることはないかと相談させていただきました。
「人物の内面を書きたい時は、その人になり切って書く。そして後で徹底的に敲く(推敲せよ!)」というようなことをおっしゃってくれたと覚えております。
それに加えて、前作『開けてしまった密室』がハウダニット(トリック)重視だったこともあり、今回はフーダニット(犯人)重視で行こうと思っておりました。
果たしてこの、複雑な人間模様の作品が出来上がりました……。矢印が色んな方向に向いていて、ともすれば情報の整理が大変な作品ですが……しかし、「人の内面」はしっかり書けたような気がします。もっとも、アプローチ的にはゆずこさんがおっしゃったこととは逆のことをやっており、「その人になり切る」のではなく「その人の周辺人物や周辺情報を細部まで徹底的に書くことで逆にその人物像を浮き彫りにする」という彫刻家みたいなことをやってみました。
ただ単に、ゆずこさんから得られた情報を使うだけだとひねりがないなと思ったので、僕なりに工夫を。そういう意味ではとても成長できた作品でした。

『三通のダイイング・メッセージ』
現在目下執筆中。しかし「やりたいこと」を書くとネタバレのようになってしまうし、どうしたものか。
一旦、ここまで連載した所感について語りましょうか。
「皆さん、情報を拾うのが上手いなぁ」という印象です。僕が残した手がかり、応援コメントで拾っていただくこと、多いです……というか、現状残している手がかりは全て拾われているかな? 
せっかくだし、このノートを読んでくれている熱心な読者のために特大ヒントを残しておきましょうかね。

『第一の事件について』
・花純が事件発覚時に何かを見つけていますね? でもそれはすぐに消えてなくなってしまいました。状態が変化したわけですね。おっと、これはしゃべりすぎたかな? 
・秀平が捜索を頼まれたものがありました。そう、飲料ケースですね。飲料に関して言及している人物が一人、いたと思います。その人は今回の飲料品について何か特徴的なことを言っていませんでしたでしょうか。例えば、本来なら電化製の○○に入れて持ってくるはずの××を△△で持ってきたようなことを……?

『第二の事件について』(こちら、明日秀平目線の『事件が起こる②』が公開されるので、フライングで!)
・卒業年次(何回生か)を把握しておくと推理しやすいと思います。被害者と同じ年に卒業した人間は、被害者に対して何かしらの情を抱いても当然ですよね。
・ダイイングメッセージについて。ずばりそのものを指していると思ってくださって構いません。問題は、「その人に犯行が可能だったか?」です。そういう意味では、本作はアリバイトリック的な側面もあるかもしれませんね。もちろん「側面」というだけで、アリバイにトリックはないのですが……。
・ジェネレーションホームカミングを企画した時和会(時宗院高校同窓会)がキーです。この会を接続点にして最初の被害者と接点を持ちうる人物が、今後出てくると思います。この人なら、最初の被害者周辺の情報を得られると思いませんか? それを元に……いえ、ここまでにしておきましょうか。

さてさて、たくさん書きましたね。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
画像は先日MACKちゃんが描いてくれた秀平です。
のびー。

2件のコメント

  • えっ私のこと書いてくださってる!! ありがとうございますー!どうも、今は長期にわたって因習村の主人公になりきっている者です(๑•᎑<๑)ー☆
    わーっ私の言葉をそのように受け止めてくださったこと、すごく嬉しいです!
    『ツリーハウス殺人事件』は、まさに今ものすごく楽しく拝読している作品なので、とてもタイムリーでした!
    推理面では、あのあたりが怪しい気がするけど分からないなぁと頭を悩ませつつ、人間関係の丁寧な描写に引き込まれておりました。二人それぞれの母親の、我が子への接し方が印象に残っています。続きも、退勤後に読みます!気になる!!
  • 『ツリーハウス殺人事件』は、ゆずこさんにいただいたアドバイスで書き切れた作品なので、思い出を語る際には外せなかったです! その節は本当に、ありがとうございました! 
    推理する際は恐れず自分の仮説や疑問点をバンバン話してみてください! 状況に合わせてヒントを出します。きっと真相に辿り着けますよ! 
    人間関係の描写も、上手く書けていたなら嬉しいです! 高校生が殺人事件に挑むので、母としてはやはり思うところあるよなぁと、前作よりも現実感に留意しながら書いておりました。
    引き続き楽しんでもらえますように。ありがとうございました!
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