詐欺ってのはな、相手が見たいものを見せてやる仕事だ。
大阪で仕事をしていた三人の詐欺師がいた。筋書きを組む男、その筋書きを演じる男、そして裏で下調べを引き受ける舎弟。三人は一人、また一人と姿を消し、それぞれ別の形で三国時代へたどり着く。
神との契約で転生した男は、公孫瓚のもとで「信頼」を作ろうとする。
山で足を滑らせた舎弟は、ただの薬草採りの老人を、演義の仙人・左慈に仕立てていく。
濁流に呑まれた演者は、死にかけた若者の体で目を覚まし、赤壁前夜の呉を相手に演技をする。
組むのが得意な者、演じるのが得意な者。三人が互いに言えなかった言葉は、千八百年前の空の下で、それぞれ別の誰かに向けて口にされる。
※どの作品からでもお読みいただけます。
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