よく日本では何々がなくて、という話を聞くがそんなことはなくて、強いて言うとその最先端なことが多く、普通のおじさんでもセンシュアルだったり、ファッション関係のひとは来日するとジェンダーからの自由さを褒めたりする。でもそれは片側の良い方の話だ。たいていのひとは支配の問題に問題を抱えていて、アメリカとおなじく愛がもっともない国のひとつであると思う。色々なひとがいて初めてアンタイなんとかが確立する。その意味ではあまりジェンダーとか、自由な恋愛とか、コソコソ達成すればいい話、とひとりよがったことにおちついていくひとも多く、しかし自分を表現せずにコソコソも達成もないわけで、ようするに日本の一億人はわりと待ちの姿勢をとり、それぞれ幻想と付き合うはめになり、わりと楽しく生きられるのではないだろうか。もちろんそれを依存だとか献身とか関係性とか色々言うことは出来るが、昨今の世界的な傾向として蓋を開けたら蛸壺でした、すみません、ということがほとんどだ。あなたの奥さんはあなたの憂鬱を引き受けて犠牲になってますが、あなたくらい資産があれば奥さんとしても捨て置けないでしょうね。などと言ったら全人類裸にするようなもので、いきなり脱いでしまうようなテンプレート、それが現代人だとも結論可能だ。
おまえもか、ブルータス