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2025年を振り返って

 カクヨムにて、椎葉伊作として活動を始めて、七年が経過しました。

 振り返ってみると、今年は昨年にも増して激動の一年となりました。
 四月に『オウマガの蠱惑』の書籍刊行。五月に『怪異ー百モノ語ー 僕が君に語りたい百の怖い話』の書籍刊行。八月にカクヨムネクストで特別企画『百物語 最後の五話』の公開と、これまで続けてきた創作活動が様々な形となって実を結んだ一年だったように思います。

 『オウマガの蠱惑』では、自分の書いた物語が第一の部下——書籍となって刊行されるという初めての経験をしました。どこまでも自分本位に書いた故にありとあらゆるものを詰め込んでしまい、鈍器のような仕上がりになってしまいましたが、様々な方々に届いた上、あちこちで感想を頂けて、とても嬉しかったです。レスポンスに対する反応を逐一文言で返すことはしておりませんが、皆様には感謝しかありません。
 『怪異ー百モノ語ー 僕が君に語りたい百の怖い話』も同様に、様々な方に届き、あちこちで感想を頂けて嬉しかったです。こちらに関しては個人的に献本もさせて頂き、その縁で怪談ツイキャス『禍話』のかぁなっき氏とカクヨムネクストにて特別企画に携わらせて頂くことにもなりました。『怪異—百モノ語—』はカクヨムでの活動初期から書いていた上、今も細々ながら交流のある創作者の方々との出会いを運んできてくれた作品でしたが、書籍となってからも縁をもたらしてくれるとは思わず、どこまでも孝行な部下だなとしみじみ思っています。
 これまで近況ノート等で繰り返してきましたが、改めて、作品の書籍化に携わって下さった方々や、感想やレビュー、購入報告などでレスポンス頂いた方々、これまで活動を応援して下さった方々に感謝の念を申し上げます。本当にありがとうございました。

 では、自分自身は作品が書籍化して何か変わったのかというと、何も変わりませんでした。
 なんとなく覚悟はしていたのですが、やはり初心を忘れたくても忘れられることができず、目の前の景色はそのままで、変わったことといえば、てめえでてめえの喉に突き当て続けていた刃が切れ味を増しただけ。そのせいで向こうから見限られたり、向こうが見限らざるを得ないことになったりして、目の前から人は消えていき……。
 結局、どこまでも自分は自分のままなのかと自覚させられることばかりでした。

 しかし、そんな中で、自分自身に折り合いを付けられた出来事もありました。
 それは、身近な者たちに、自分は椎葉伊作なのだと初めて打ち明けられたことです。片手で足りるくらいの人数で、大勢からの称賛も得られなければ、期待していた言葉を吐かなかった者もいましたが、喜んでくれた者、誇りに思ってくれた者、認めてくれた者もいて、それが今年一番の出来事であり、同時に自分の人生においての転換点ともなりました。

 でも、それは所詮、一個人の心象に過ぎません。いくらか折り合いを付けられたと思っているだけで、何を得たのか、何を失ったのか、勝ち抜いたのか、逃げ遅れたのか、本当のところは分からないままです。が、痛い痛いと泣き言は言えないし、未だに原動力にしてきた恨みや怒りが尽きないし、クソほど蔓延っている開き直った悪党やその取り巻きやSLOP野郎に負けたくはないし、道程さえ拘りながら教わらずにここまで来たことにしか価値を見出せないので、これからも自分は自分のままで行くしかないのでしょう。

 とまあ、うだうだとクサいことを垂れてきましたが、要するに、これからもこれまで通りにステゴロで黙殺と戦い続けていく所存である、ということです。色々あって書けなくなった時もあったし、また書けなくなる時がくるかもしれませんが、どうにか書き続けられるよう、第三の部下を世に放てるよう、そして何よりも、世に部下を放つに値しない無責任な送り手にならないように努めていきたいと思いますので、ひとつ、よろしくお願いいたします。

 ということで、2026年も相変わらず、椎葉伊作は浅はかに存在します。引き続き、あの野郎あんな所でまだ調子こいて何かやってんなと冷ややかな目で見守って頂ければ幸いです。

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