カクヨムにて、去年の十二月から連載を始めた現代ホラー長編『心霊タクシードライバー:夜坂零二』を完結させました。
文字数のみで換算すると、これまで僕が書いてきた長編としては八作目に当たりますが、連作短編形式で言えば四作目に当たるでしょうか。
といっても、実は今作はかなり前から執筆を開始していた作品でもありました。時系列で言うと、もう三年も前の作品になる『生命の膿』の執筆前から着手していたものになります。
なぜ、そんなに長い間放置していたかというと、確か、当時『陰VISIBLE OF THE DEAD』の雛形を書き終えた直後で、ラジオで話す幽霊が取り憑いた車で違法営業タクシーを営む青年というアイデアを思いつき、とりあえず思いつくままに書き出して七万字ほどに到達した頃、カクヨムコンにホラー部門があることを知り、どうせ応募するならこっちの方がいいだろうかと『生命の膿』に乗り換え、その最中に『オウマガの蠱惑』のアイデアを思いつき、そのまま一年以上格闘していた末に書き上げた後、カクヨムコンの時期までの埋め合わせとして『陰VISIBLE OF THE DEAD』を改稿して連載を始め、終わったら今度は本丸の『オウマガの蠱惑』の連載を開始した為に、ずっとほったらかしにしてしまっていたという、ややこしい背景があります。
故に、色んな作品に着手している最中、今作は未完で下書きにずっと残ったままになっていました。僕は複数の作品を同時に執筆するというマルチタスクができない不手際な人間なので、他の作品を書いている間も気に掛けてはいたものの、中々着手することができずにいました。時折、近況ノートに言及していた塩漬け、凍り漬けにしているものというのは今作のことで、ようやく執筆を再開したのは、去年の春先のことになります。しかし、その最中に再びほったらかしにしてしまい、季節の合う夏に公開しようと決めていたのに、また先延ばしにしてしまい……。結果的に、形になったのは去年の暮れのことでした。作成期間で言えば、一年以上かけてこねくり回していた『オウマガの蠱惑』よりもずっと長く、難産な作品となってしまいました。
なので、今作に対しては、作者として申し訳ない気持ちで一杯でした。せっかく夜坂零二という主人公を創り上げてローレライに乗せ、走り出させていたというのに、物語の途中で停まらせたまま、長期間待たせてしまっているという状況に陥ったので、その間は蟠りのようなものがずっとモヤモヤと頭の片隅に残っていました。それ故、今回無事に完結させられたことは、本当に嬉しく思っています。
しかし、執筆を再開した時は、過去の文章力に唖然としました。今現在も大概ですが、それよりも酷い文章を書いていて思わず頭を抱えました。一から構成を見直し、改稿に改稿を重ねてどうにか読めるようにはしたつもりですが、あちこちに粗があるような気がしてなりません。話自体も、ホラーを謳ってはいるものの、怪談、ミステリー、SF、ネオンノワール、アクション、ラブストーリーが薄っすら入り混じっていて、一体どんなジャンルに分類したらいいか、僕自身もよく分かっていません。一応は上記の要素を織り交ぜたつもりですが、上手く織り交ぜられているかどうかも同様です。
それでも、どうにか夜坂零二の物語を最後まで書き上げることができて良かったと思っています。色々と取っ散らかった話になっていると思いますが、それだけやりたかったことを全部詰め込んだものにはできたし、こういうものが書きたかったので、結局のところは満足しています。
とまあ、うだうだとクサいことを垂れてきましたが、最後に、今作をお読み頂いた皆様に感謝を申し上げます。前述した通り、うかうかしていたせいで急ピッチな連載になったにもかかわらず、お付き合い頂いた方々、応援やコメント、レビューをして頂いた方々、宣伝ツイートをいいね&RTで応援して頂いた方々に、多大なる感謝を。皆様から頂いたレスポンスが大変な励みになっておりました。本当にありがとうございました。
追伸
今作の執筆中、主人公の気分になり切ろうとして、初めて煙草を買って吸ってみたのですが、苦いし、煙いし、上手く肺に入れられないし、吸った後は気分が悪くなるしで、まったく嗜むことができませんでした。やっぱり、煙草なんて吸うもんじゃないですね。百害あって一利なしです。
また、カクヨムにて書き溜めているものが無くなったので、またしばらくの間は鳴りを潜めることになりそうですが、まだ懲りずに色々と書き続けるつもりなので、よければ気長にお待ち頂ければ幸いです。恐惶謹言。
