♦︎龍の力を振るう 異能の者たち の饗宴が幕を切る♦︎
隆盛を極めるロゴスの國——
『龍神が宿るこの地。まさに極楽の園』
龍神は、信仰心篤き民の胸に豊穣と秩序をもたらした。
だが——
500年という悠久の時を経て、人々の心から信仰は静かに薄れ、龍神の眼差しは遠く離れつつある。
見放された時代を生きる、少年少女たちの物語。
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1話目を抜粋〜
ジュナは小さな岩塊にそっと触れて、静かに目を閉じる。
太陽のように心地よく暖かな光を頭の中に思い描きながら、低く囁きように言葉を紡ぐ。
「輝け」
その瞬間、岩塊が胎動するかのようにわずかに熱を帯び、内に秘めた力が淡く発光しはじめた。
その光はまるで、ステンドグラス越しの陽光のように幻想的で、周囲を優しく包み込んでいく。
この岩塊は『龍石』と呼ばれ、
龍神の血を継ぐ者――すなわち『龍の子』のみが干渉し、恩寵を引き起こすことができる。
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