しうまい

18回目の誕生日。その日は僕が生贄となる日だった。 村に災いが訪れぬよう、毎年、滝つぼに棲むというバケモノに生贄を差し出す。生贄の印の飾りをつけられ白い布に包まれ、滝へ張り出した…

毒親育ちの四十代の娘が、事故で亡くなった母の付けていた日記を読む話です。

人魚の肉を喰らった永遠の青年に、晴子は看取られる。 そして、出会いと別れの歴史の中に、やはり晴子は刻まれる。 追記 後日談……と言いましょうか、スピンオフみたいなものを書きまし…

※電撃大賞のために大幅に改稿したものを連載しています。 高校生の詩摘（しづみ）は偶然、クラスメイトの紬（つむぎ）が自殺志願者であることを知ってしまう。彼女の策に嵌まり、『自殺す…

急に部活が休みになった金曜日の放課後。早めに帰宅したものの時間を持て余してしまう僕は、ランニングがてらに愛犬ジャックを散歩に誘う。 僕が物心ついたころから知る、老犬ジャックと行…

夢を諦め、友を失い、目標をなくして、全てに絶望した私。 気づけば見知らぬ扉の前に立っていた。 扉を開けると、真っ白な部屋の中に一人の人物がいて――――――。 『小説…

　親友が死んだという知らせを信じられないまま、新幹線に乗り地元の群馬県に向かっている。 　私は新幹線の中で親友だった純のことを思い返していた…

実家が米農家である彼女に誘われ、人里離れた村を訪れた俺はそこで奇妙な行事に参加することに・・。

　少子高齢化──の孤島。 　いつの間にか俺はその孤島にいた。 　記憶も失っていて「俺は誰なのか」「ここはどこなのか」分からない。他に孤島にいるのは同じく記憶のない高齢の方々。唯一…

※ 主人公の職業として風俗が出てきますが、セルフレイティングは今の所つける予定はないのでご了承下さい。 新宿──歌舞伎町。 日本一の繁華街のその街で人気のホテヘル嬢として働…

パンが嫌いだった。 でもいつの間にか好きになった。 お米を食べなくなった。 だから祖父との関わりも薄くなっていった。

少女と祖母が紡ぐ、時代に置いて行かれた独特の雰囲気を持つ古書店での一欠片

ウェアムシティ。 全米有数の経済都市の一つであるその街は、はっきり言って治安の悪い街である。 マフィアや犯罪者が跋扈し、夜は特にパトカーのサイレンは聞かない日がないほどに。 動…

・生きるとは？ ・自殺をしようとしたら自称「神」に声を掛けられ、人生をやり直すアイテムを渡される３人の男女の物語。自分の寿命と引き換えに、お金を引き出す事の出来るカードを使い、…

本能に抗い苦悩する蜘蛛と、自由を選んだ白い蝶のお話。

彼女と全力の一局を指すため、僕はプロ棋士になった――これは、叶わない願いと、AIと、将棋についての話。 ＊「小説家になろう」にも掲載しています。

佳乃が死んだ。 最愛の妻が。 生きる意味をなくした為男の部屋に、軽快な『ジュ・トゥ・ヴ』のメロディと共に「おめでとおうございます！」の声が鳴り響く。 「奥様は生まれ変わりま…

その日生きる金にも困り、墓荒らしを図った青年。その姿を見つけてしまったのは、気が遠くなるほどに真っ白な髪をした少女だった。 「私、もうすぐ死んじゃうのよ」

病気で彼女を亡くした主人公は、東北の奥地にある夢の都市の噂を聞く。そこでは全てが無料で最高の治療を受け、市民の全員が幸せだという。

春夏秋冬、季節は巡る。いつも通り、当たり前の日常。 ふと、小さな声に耳を澄ませてみれば、世界の見方が変わります。 ほのぼのだったり、ほんの少しホラーだったりの一話完結短編集で…

「梅」にまつわる友愛の物語。自主企画【画題で書き初めしてみませんか】がヒントになって生まれたショートショート。まず「梅」をモチーフにしようと決めて、タイトルを「玉骨（ぎょっこつ）…

1938年。世界中が狂気の渦に呑まれつつある、初冬の英国に一人の少女がやって来た。13年前、貧困と育児放棄が原因で、親戚が営む東オーストラリアの孤児院に使用人として引き取られた少…

「どうせ死ぬなら異世界に行きませんか？」 人生に光の見えない生活の繰り返し。そんなK氏のもとに一通のメールが届く。 普段なら即ゴミ箱行きの迷惑メールのように思われたが、なぜかK氏…

とあるマンションにたった１人で住む三郎は、疎開でやって来た集落に住む女、芳江の事を思い出した。

「次の方、どうぞ」部屋の中には鬼が座っている。奥に洋風の扉。「成仏できない人は開けることができません」と鬼は言う。そんな部屋に10度目のチャレンジとなる若い女性が入った。

（＊一番下に注意喚起あります） ・あらすじ 　死者の魂を乗せ、走り続ける〈列車〉に、――スター・ライト・トレイン。 　そんな〈列車〉には、時に迷える「者」達が迷い込む。 1.…

柊雫《ひいらぎしずく》は南国の青い海の中に立っていた。死んだ記憶もないままに天国にやってきてしまった雫は、死者達が当たり前に三途の川を渡っていく中、彼女だけが渡れない。 なぜ雫…

一児の母である秋は、不治の病で死の瀬戸際に立たされていた。死ぬ前にせめて、息子である俊多の幸せな人生を拝みたい。そう願った秋は、なんと未来にタイムスリップしてしまう。 そこで高校…

最近巷で転生ものが流行っているらしいので私が書いたらこの有り様です。

妹が死んだ。私はその妹の身体を綺麗に飾る。 ※以前から書いていた「偶像の天使」の改訂版です ※「死」をテーマに扱っています

「へびふくろう座文学賞」参加二作目です。なんか今回百合が多いのかな？と思いつつ書いたら百合になってしまいました。

きさらさんという女性がクマ屋というお店を作ります。 きさらさんは、お客さんの注文でいろんなぬいぐるみのクマを作ります。 きさらさんと猫とクマのほのぼの生活です。

古代ローマにおいて、剣闘士試合は最も熱狂的な見世物の１つであった。コロッセオに立った剣闘士と罪人たちは、流血と歓声、剣戟と悲鳴の中で、何を思い、何を見たのか。コロッセオに住み着い…

　いわゆる、メイド喫茶を代表するコンセプトカフェのあれこれ 　その中でも、メンズ（女性向け）コンカフェ――主に執事喫茶について、現役キャストが浅く薄～く語ります 　東京・愛知…

「カクヨム」には、プロ作家？　と思えるような書き手さんが沢山いた！ 自分の文章力では、書籍化なんて夢のまた夢。 才能ないし、もう、書くのやめようかな。 そう思っていた私の、「楽…

奇妙なお話多めで書いてます。 どれも三千字以内で終わるので、スキマ時間にどうぞ。 ↓お気に入り 3クビカリタケ 12自由自在な昔話

平凡な高校生、釣合秤はある日、異世界から帰還した……らしい。 目覚めたときには半年が経過しその間の記憶を失ってしまった彼のもとに、朝日月夜を名乗る市役所職員が現れる。 彼女から秤…

半吸血鬼のルネは静かに暮らしていた。人間と吸血鬼のハーフ、所謂「ダンピール」と呼ばれる彼女は人に迫害された吸血鬼一族の生き残り。そのため異端者である己をわきまえ、のらりくらりと隠…

俺はただ、家へ帰りたいだけなんだ。 子供の名前をまだ決めていないんだから…… 出産間近の妻の元へ向かう予定が突然異世界に転移してしまった主人公。 異世界から日本に帰るために妖魔と…

むかしむかし。とある呪術の失敗で、この世のものとは思えぬほど大きな魔物が誕生した。その名を『オロロ』という。 オロロは人を憎み、この世を滅ぼさんと動いた。 そんなオロロの住処…

この異世界には人間、動物を始め様々な種族が存在している。多岐に渡る生物が棲むここは異世界「ソウルエンド」 この世界で一番権力を持っていると言われる王族の“ロックロス家”は、その千…

異世界に召喚され、何のタイムラグもなく現実世界に戻って来たテツ。 小さな偽善を重ねながら、現実世界を生きていく。 どんな物語になるかわかりませんが、パッと浮かんだので急いで書きま…

覗き穴から見えたのは年下の恋人だった。しかし、そこに立っている訳ではない、どこか別のところにいる彼で、その彼の横には女がいた。

　そう遠くでもない未来―― 　地球は、「もうひとつの第三惑星」と、公的な交流を持つこととなった。 『リテラ』という名のこの星には、超常の力を持った『ナマートリュ』と呼ばれる人型…

単身、旅をしていたヴィーは、山中の裏街道で物盗りに遭遇し、森の中の小屋に捕らわれた。そこで賊に無理やり働かされているという幼い孤児のディルに出会う。拘束を解く代わりに食糧を、と要…

デザイナーを目指す大学生、美紗子は自分の才能に自信を失いかけていた。夢を追うか、諦めるかの選択に悩みながらふらふらと歩いていた時、同じく夢を追うバンドマン、三井に出会う。 二人の…

水族館を訪れた鷹山一家は勇者召喚に巻き込まれて、異世界の国ファーラシアへ招かれる。 そこで勇者召喚が王子の暴走であると知った鷹山一家ではあるが、それを知ったからと言って正義感も何…

高校2年生の俺は平和に学校生活を送っていた。 2学期に入り、席替えをした時に、1度も話したことのない女子生徒が隣の席になった。 いつも無表情で、友達と一緒に行動するでもなく… 一…

　ブリテン国。 　代々王族は忠信である十二人の円卓騎士と共に国を護ってきた。 　しかしとある王の時代、十三番目の名も無き英雄が君臨したことは驚くべきことで後にも先にも彼だけが十三…

　週末の休みに、私はとある絵画展に足を運びました。ただそれだけだったというのに、これほどの音と光を浴びるとは思いもよりませんでした。 ＊カクヨムコン（短編賞）に出すために書い…