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義務感と正義感

〜 トスカ村 ヤーンより 音声記録 〜


理解されないと……
感謝されないと……
【正しい事】が行えないか?

お前のは義務だ。足枷だ。
『やることが正しい事だから、やらなければ行けない!』そういう自分に背負わせた重荷。

『俺がこれ程やってるのに!何故!お前等は感謝もしなければ、俺に続いて【正しい事】も行わない!』

『お前等を命懸けで助けたのに!お前等ときたら!自分の命を他者に預け祈るだけ!助かっても俺に言葉だけの感謝!そして直ぐ忘れる!』

お前の頭の中はそうだろう。お前は自分の感じている義務を助けた相手にも求める。
『オレはこれ程自分を削ってお前達に尽くしているのだ!お前等もその犠牲を払え!でなければ俺だけが払い損!』そういう事。

一寸言い過ぎたな。恐らくお前は、相手お前の払った犠牲を見習い、自分と同じ様な【正しい事】を他者にして欲しいのだろう?ソレは一つの正解だよ。
そして皆が【正しい事】を他者に水平展開して行く。コレは良き循環。

だがな……全てはそう上手くは行かん。
助けた他者が皆、その様な理解してくれるとは限らん。そうなってくれる人が少しでも入れば重畳。その程度……


ワシはなぁ、
ワシは助ける事が【好きだ】
助けたいから【する】
助けなければならないから【する】
……では無い。

助けた相手が後でどう思おうと知らぬ。
どうでも良い。ワシさえ気持ち良ければソレで良い。

まぁ、そんな好き勝手な【正しい事】が、お前の想う【正しい事】と重なるのか?ソレは知らぬ。
コレは飽くまでワシの【正しい事】

だが、そんな【正しい事】で自分の精神が擦り切れ、思い悩み、相手を恨むなら……そんなお前の心有り様は【正しい事】か??


正しい事をしなければ成らないと想うより……
欲する事が正しい事に成る様に想い、願え……


ゼオ、俺の弟よ、俺の代わりに剣匠隊長の責務。
重荷と成るのは必定。然し乍ら、弟よ!お前なら、【見鬼】のお前なら……出来るのでは無いかと……ワシはそう思った。

そして放り投げた……お前に……

田舎に逃げた兄貴を嗤え!弟よ。

唯一の弟よ。
唯一の血族よ。

ワシはお前を誇りに想う。

無理はするな……お前は何時も人を読み過ぎる。

お前の長所で在り、短所。

健やか成らざる時も健やかに。

ゼオ!またトスカに来い!


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