四谷研一は、
人との距離を取るのが上手な青年です。
明るく、要領がよく、
場の空気を読むことにも慣れています。
誰かと衝突しても、
大きな摩擦を残さずに生きてきました。
そんな研一には、
どうしても苦手な相手がいます。
それが、遠山です。
遠山の無愛想な態度や、
周囲と関わろうとしない姿勢に、
研一は反発を覚えています。
「協調する気がない」「何を考えているかわからない」
――そう感じるたび、苛立ちが募ります。
それでも研一は、
遠山のことを気にせずにはいられません。
こいつは、どうして周りの人と交流を持たないのだろう。
なぜ、自分から孤立するような生き方を選ぶのだろう。
理解できないからこそ、
視線はつい、遠山へ向いてしまいます。
研一は、正義の人間ではありません。
誰かを救えるほど強くもない。
けれど、見て見ぬふりをすることもできない。
その中途半端さが、
彼をこの物語の中に深く引き留めています。
遠山を拒みながら、
遠山を気にしてしまう研一。
その感情はやがて、
遠山が隠した過去に触れていくことになります。
明日から始まる物語の中で、
研一がどんな選択をするのか――
静かに見守っていただけたら嬉しいです。
『マリアの恋人』
12/20(土)20:00
第1話公開
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