お世話になっております。山龍です。
このたび、クロノヒョウさん主催の自主企画、
第76回「2000文字以内でお題に挑戦!」企画に参加しました。
https://kakuyomu.jp/user_events/2912051599617422704お題は、「水槽に沈めた指輪」。
今回公開した作品は、
『琥珀の底と、指輪の、かれ』です。通称『コハカレ』です!
https://kakuyomu.jp/works/2912051599802491942父がいなくなった部屋に、息子が入ってくる。
そこに残されていたのは、魚のいない水槽、底に沈むシルヴァーの指輪、そして空になったウヰスキー瓶。
この三つが、人間には聞こえない声で、息子の動きを眺めながら言葉を交わしていきます。
けれど、彼らが語るのは、真相ではありません。
父がなぜ水を替え続けたのか。
指輪はなぜ拾われなかったのか。
その答えは、最後まで水槽の底に沈んだままです。
2000字以内という短い掌編ですが、
「拾わなかったこと」「語らなかったこと」「それでも水だけは替えられたこと」の余韻を残せるように書きました。
派手な事件は起きません。
ただ、空になったものたちが、父の不在を少しだけ語ります。
よろしければ、静かな夕暮れの一篇としてお読みください。
――拾われぬ指輪に、父の沈黙が沈む