筆致企画参加作品『噓と桜とレモネード』。
ありがたいことに、たくさんの御支持を頂戴しております。
『レモネード』から山龍をお見知りくださった方も多いかと思います。
もし『レモネード』の「言い切れなさ」や「飲み干せなさ」を少しでもお気に召してくださった方がいらっしゃいましたら、連載中の時代小説『江戸日本橋 薬種屋〈桔梗屋〉の診立て』もご一読いただけると嬉しいです。
『噓と桜とレモネード』は、きれいに終わる恋の話ではありませんでした。
顔を見たかった。
でも、引き止める覚悟まではない。
また会えると言いたい。
でも、それを言うのは卑怯だと分かっている。
――そんな、言葉にしきれないものを、飲み残したレモネードのように置いて去っていく物語でした。
『桔梗屋』は、そこから一転して江戸モノです。
江戸日本橋の裏通りで、口は悪いですが診立てだけは外さない薬種屋主人・与四郎が、噂や迷信に振り回される人々をスッパリ切っていく短編シリーズです。
特に第二話に出てくるのは、厚朴。
胸のつかえや、内にこもったものをほどくような香りを持つ生薬です。
『噓と桜とレモネード』が、言えなかった想いと飲み干せない未練を描く話なら、
『桔梗屋』は、噂や見栄に詰まった暮らしを、薬種屋の目でほどいていく話です。
現代の喫茶店と、江戸の薬種屋。
レモネードと厚朴。
見た目も香りもまるで違います。
それでも、どちらも「胸の奥に残ってしまったもの」を書いている作品です。
甘酸っぱいものの次に、ほろ苦を。
レモネードもかなりほろ苦でしたけれど、漢方の厚朴はもっと苦いです。
しかし、良薬は口に苦し。
よろしければ、『桔梗屋』もあわせてお楽しみください。
各話10,000字程度の短編を四幕に分けて、読みやすいように構成しております。
第一話「黄連、狐はおらず」、第二話「厚朴、濁気は奥にこそ」。
現在、二話完結しておりますが、短編として独立しておりますので、「厚朴」からでもお楽しみいただけます。
そして、4/26㈰から第三話「酸棗仁、宵に脈沈む」も開幕します。もちろん、「酸棗仁」からお読みいただいてもお楽しみいただけます。
逆に『桔梗屋』から山龍をお見知りくださった方は、『レモネード』で「山龍、おまえ、こういう話も書くんか」と雰囲気の違いをお楽しみいただければありがたい限りです。
ぜひ、読み比べていただけますと幸いです。
【江戸日本橋薬種屋〈桔梗屋〉の診立て】
https://kakuyomu.jp/works/822139845582961509
【噓と桜とレモネード】※筆致企画
https://kakuyomu.jp/works/2912051598071666749