第四十四話「知っていて、識らない」に添えるコメント

【案内人・葛城二華より】
 第44話をお届けいたします。
 八月、夏休み。舞台は聖カレイド学園、IT研究会の部室でございます。
 月詠さんが扇子を手に入室されます。景乃さんが端末に向かい、窓際では晶さんが万年筆を走らせています。この日、この部室に足を踏み入れるのは、三人だけ。月影の定期業務——学園内情報の棚卸しが、静かに始まります。
 月詠さんが構想し、……

【九条景乃より】
 二華さん、そこまででお願いします。
 私が後で月詠さんにチクチク言われてしまいますので。
 ……失礼しました。九条景乃です。IT研究会の会長を務めています。
 月影に関わることは、月詠さんのお許しなく外には出せません。
 第44話について、私から言えることは一つだけ。
 月詠さんは、正しい問いを立てる方です。

【案内人・葛城二華より】
 ……お呼びしておりませんでした。けれど、いらっしゃいました。
 景乃さん、ありがとうございます。ご案内の範囲について、配慮が足りませんでした。
 「正しい問いを立てる方です」——この一言の意味が、本文を読み終えた後に、少しだけ変わるかもしれません。正しい問いが、誰に向けられたのか。
 タイトルは「知っていて、識らない」。
 夏休みの部室を、最後までお付き合いくださいませ。
※本作のイラストはAIを用いて制作していますが、キャラクター・服装の設定および最終選定は作者によるものです。

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