【案内人・葛城二華より】
第35話をお届けいたします。
聖カレイド学園、生徒会室。
美空さんがいらっしゃいます。演武祭を迎える準備に入っています。会長としては初めてでございます。
そして、「秩序の請負人」の統括(ジェネラル)の皆さん。三会場分の設営図面が、すでに美空さんの机の上にございます。
全部が、動いています。
——そして、夕方近く、生徒会室のドアがノックされます。
本日は、ゲストをお呼びしております。この話の数字を観測していた方——アイです。
【真白・P・アイより】
ご紹介にあずかりました。真白・P・アイです。
第35話について、構造面から整理いたします。
この話では、一つの行事に向けて六名が同時に動いています。武道連合会側の調整、参加者データの管理、人員の手配、三会場の設営図面、予算の管理、外部との折衝。持ち場の重複は、ありません。
一つ、数字について指摘します。
聖カレイド学園演武祭。今年のゲストの規模は昨年を上回っています。国内第一線の選手に加え、師範クラス、一部海外のメダリストまで。観覧者数は千二百名から千八百名超への増加が見込まれます。
にもかかわらず、真緒さんが提出した予算ファイルに赤い付箋は一枚もありませんでした。
数字は嘘をつきません。ただし、合理的に説明のつかない均衡は、説明されていない変数の存在を示唆します。
以上が、数字と配置からの観測です。それ以外の場面については、私の観測範囲の外です。
【案内人・葛城二華より】
アイ、ありがとうございます。
「合理的に説明のつかない均衡」——アイらしい表現ですが、正確でございます。
少しだけ補足いたします。タイトルは「会長として」。美空さんが纏っていらっしゃる鎧の名前でございます。段取りを整え、数字を確認し、全員に指示を出し、一人になっても手を止めない。——その鎧が、ほんの一音だけ、揺れる瞬間がございます。
生徒会室の午後を、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
※本作のイラストはAIを用いて制作していますが、キャラクター・服装の設定および最終選定は作者によるものです。
