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謎は全て解けた

私は面白い作品に会った時は勿論「なんで面白いと思ったんだろう」とかを考えるんだけど、実はその逆もあって、面白くない作品に出会ったときは「何故面白く思えないのか」というものもすごく理由を自分の中で追求します。


今視聴を飛ばしてしまっていた今大会の試合をグループステージから見直していて、
・まだどこも敗退が決まっておらず、48ヶ国が揃っている
・試合が進む過程で怪我した選手が怪我を全くしていない
・今大会がどんなものになるか、まだ運命が全く分からなくて、選手たちの表情が希望に満ちている


こういうものが、決勝トーナメントの準決勝まで見ると、グループステージ第一戦とかにははっきりと現われていて、それが楽しく、美しく、何とも魅力なものに私には思えるのですが、


前にもチラッと話しましたが、この嬉しさを噛み締めていた時に、
何となくつかめた気がします。

私が読んだ話の中で、以前から「全然面白くないなあ」と思う話があるのですが、理由が分からなかったのです。
まあ話の展開が面白くないんだろう……と思って適当に納得していましたが、もっと明確に理由を捉えたかったんですね。

他人の話をつまらないと思う理由が分かることは実はとても重要なことで、その理由が分かれば自分はそれを自分の作品でしなければ、一つ、つまらない話になる要素を排除出来るわけです。5つ見つければ5つつまらない話になる条件を排除できる。

こういうのを増やせば増やすほど、自分の作品の「つまらなくなる理由」が排除できるから、非常に自分が上手くなることに有効なのです。


その話は、一見完成度が高く見え、
文章力もそれなりです。
戦記物ですが、私が漠然と気になっているのがたくさんキャラが出て来るのに、誰一人魅力的に感じられないのです。

何作かあって、どれかは魅力的なキャラがいるのではと見つけたくて複数作品を読んだんですが、印象は同じでした。出て来るキャラ出て来るキャラ、特に魅力的じゃないのです。
つまり、この作者の書き方に問題があるんだろうと私は見ました。

しかし、よくある変な趣味とかに走って必ず一人猫耳女を出して来るだとか、ヒロインが全然魅力的じゃないとか、そういうのではないのです。

いたって真面目な雰囲気の話ですし、道理もある程度弁えた物語の描き方をしています。まあ戦闘描写や戦術的な観点が私からするとちっともワクワクしないというのはちょっとあるんですが、それは珍しいことではないので(戦闘描写は本当に難しい。戦闘描写が上手い人には私も滅多にアマチュアでお目にかかったことが無い)、そんなに気にしません。

それよりも何かもっと大きな問題点が潜んでる気配はずっとありましたし。

しかし時を遡ってグループステージ第一戦を見た時の選手たちのキラキラ感、それを感じ取った時の私自身の心のキラキラ感を感じた時に、

バシッと分かりました。

「この人の作品、最初から人間関係が構築され過ぎてるんだ」

と。

つまりですね。
キャラ一人にしても、長編小説は物語が進むうちに強くなったり、力を手に入れたり、成長していきますよね。

それもこの人あんまり確かに描かない部分はありましたが、

もっと気になるのが

みなさんキャラだけではなく【キャラ同士の人間関係も成長する】ということ分かっているでしょうか。

要するに「第一話で出会った二人が、100話のラストでは自分より相手の方が生きて欲しいほど大切に思い合ったり理解し合ったりしている」みたいな現象のことです。


この人の作品、【人間関係の成長】が全く無いのです!


なんか出て来るキャラ出て来るキャラが全員すごい人らしいんですよ。
作者の中で「すごいキャラである」というのが第一話の段階で決めつけられ、丸出しなのです。

すごいキャラをどう動かすか、それだけなのですよ描かれているのが。

チェスで例えると、決められた駒が、ただルールに則って盤上を行き交うだけなのです。
魅力的な戦記物書く人はまず、盤上に現われる【駒】が決まってないのです。
規定のチェスのコマに加えて【天使】や【悪魔】や【魔術師】もいる。
【王女】もいる。【竜】もいる。【軍艦】も出て来て、全く新しいルールを用いて盤上で物語を紡ぐ感じ。


本当に最初から全てが決まり切っていて、
第一話にして人間関係も出来上がってるので、特にワクワクもしないんですよね。
キャラも「すごいキャラ」と一番最初に言われてしまうので、「へーすごいんだ」としか言えませんし、人間関係も「こいつらは親友」と言われてしまうので、何故こいつとこいつがそんなにも親友なのか、信頼し合うきっかけはなんなのか、何にそんなに惹かれて仲間になったのか。

そういうことが書かれずに決めつけられているんです。

RPGゲームでいうたら第一話から勇者が最強装備を付けてて、結婚するヒロインも決まっていて、レベルも99。こいつの為なら命を懸けていいと思っている副官もいる。親友もいる。なんでもいる。
人間関係のレベルも99。

こんなの面白くもなんともないですよね。

特に悪手なのが、【人間関係のレベルが第一話でカンストしてる】部分です。

私は準決勝まで見たのに、グループステージを見ても無茶苦茶面白いです。
結果がもう準決勝まで分かっているのに。
それは何故なのか。

「結果は分かっても、どうそこに至るかはまだ見てない試合がある」

からなのです。
誰が頑張ってその結果に導いたのか。
戦っている最中の選手たちの表情も、【結果より経過】が魅力的だと感じる私にとって、勝ち上がる国が分かっていても、勝ち上がらない者たちがどんな風に戦って散って行ったかを見るのは非常に興味深くて魅力的で、ためになるものなのです。

そこが面白いから。

何より選手同士の関係も試合が進んで行くうちに強固になって行きます。

その変化を見るのが楽しいから。

だから、最初の人間関係のレベルをちゃんと低く、1から始めると、準決勝まで物語が進んだ時にグループステージ初戦に戻るとこんなに新鮮で面白い。


その話は最初からキャラが「すごいキャラ」と決めつけられ
全ての恩恵が集まり、成功することが分かっていて、
あとは淡々とその過程を見て行くだけだからこれほど戦記物好きの私が全く惹きつけられないのです。

ああいう作品を書いてしまう人ほど、スポーツを見て欲しいですね~~~

どんなチームでも一番最初から上手く行ったりはしない。
それが少しずつ、積み重ねたり何かがきっかけで上手く行き始める。
人間関係のレベルが上がって行くんですよ。



うちの作品も確かに第一話から優れた人は出て来たりします。
しかしそういう場合も必ず【人間関係のレベルは1から】始まります。
というか、私自身が例え孫策と周瑜のような関係であっても出会う所から始めるのが好きなので、人間関係の低さにはこだわる傾向がやはりある。

無意識に「人間関係が構築されて行く過程こそ面白い」ことを分かっていたのでしょう。

やはりつまらなさの最大の原因は「作者の描き方」でした。

この人は「すごい人たちの凄い話を書きたい」という気持ちが強すぎるんです。

もうちょっと序盤の人間関係に対して「上手く行かない時期」とか「そこまで信頼し合っていない時期」「絆が深まる過程」を描いていくのを心がけた方がいいよなー折角の設定全然生きてないよ……と思うんですよね。


一見上手く書けているようには見せて来る文体なんですが、読んでいると全くこの人とこの人の人間関係、一体どうなるの!?✨ みたいな部分が皆無なのです。


私が何か一つ助言してもいいよって言われたらこの人には「人間関係が最初から完成され過ぎています。読み手として何故そんなにもその人のために命を懸けたいのか、の部分を説明されていない為、全然感情移入が出来ません。全体のキャラの関係性が総じてそういう書き方をされているので、もう少し構築段階から人間関係のレベルを低い状態から始めるキャラなども用意した方がいいと思います」って言うわ……。


その点三国志なんかやはり素晴らしいですね。

あんなにスゴイ曹操様でも女の色香に引っかかって賈詡先輩に命取られそうになる寸前まで行っていたり、「なんで今大船団率いて長江出て来るような労力いる戦をする!?😇」という明らかに謎のタイミングで赤壁の戦いとか起こして大敗走とかしてくれます(私は陸地から攻め上がり、長江には足を踏み込まない方がいいと考えている。赤壁は戦いとしては好きだが、私が曹操ならあんな天下統一一歩手前まで行っている段階で無理して地の利のない大決戦とか挑まない。もっとじっくり西、もしくは西南方向の陸地から攻略する)。

これぞ史実の面白さであります!!

何もかも完璧な人間も、人間関係も、この世には無いんですよ!

無い方が遥かに面白いのです。


うちの【翡翠】のリュティスは、誇り高き国を守る第二王子で、サンゴール王国最強の魔術師ですが、メリクに対してだけはどうしても存在が気に食わなく、八つ当たりじみた苛立ちをぶつけて来る人です。
そこが肝なのです。
そこがどこかでメリクに絆されていたら、【翡翠】は70話くらいで終わり、
単に孤児の少年が王宮に引き取られて、王子様に出会い、最初上手く行かなかったけど心を込めてお仕えしたら心が通じて、信頼し合えるようになった話、でしかありません。

そんなもんよくある話です。

私が【翡翠】の第一部で言いたいこと、他の話と一線を画す為に書きたかったのは

【心どころか魂を捧げてその人の為に生きたって、心が全く通じず愛されないこともある】

ということなのです。

そこで絶望して自刃しても、よくある話です。歴史など見ていれば。

私は全然違う「一度目の生では伝わらなかった心が、二度目の生で自分自身が変化出来れば、二度目の人生では別の物語を紡いで行ける」というものを書きたかったのですね。

この作者さん、もっと現実の歴史の戦とか史実とかに起こる不条理とか「なんでよ!?😇」みたいな部分を学んで取り入れた方がいいと思いますね

お綺麗過ぎるんですわ。展開が。
決められすぎていて、最初からカンストされているキャラ、キャラの装備、キャラの人間関係が多すぎる。

うちの【花天月地】の賈詡と郭嘉の関係なんか、お互い知能があるから最初からお互いの手の内なんか十分分かってるように描かれていますが、実際には全く郭嘉が賈詡を信用しておらず、欺いて手の内を見せていないのです。
気が合うように描いていますが、ものすご内心裏切られていて、
そのことに賈詡が気づいた時は手遅れで、とんでもないことになる。
首絞めたいほど郭嘉を憎んでも、曹操の腹心だから死なせたら自分の首が飛ぶので、憎たらしい小僧でも救うしかない!! っていうどうにもならん面倒臭い人間関係をちゃんと描いています!!

二人ともとっくに性格は構築されて、今更成長なんかほぼしませんが、
人間関係のレベルを低く設定されれば、それだけで物語は無茶苦茶面白く書いて行けるんです。


【人間関係のレベルが最初から高く、決めつけられている】


これはまあ、たまにそういう二人がいるとかは全然いいんですが、
総じてこういう描き方しかしてないのは良くないと思いますね。

こういう話って「第一話から遡って読み直したい」という気持ちに少しもならないのです。

何故なら、100話だろうが1話だろうが人間関係に変化が無いから。

海外ドラマでも良作の場合、ラストまで見た作品をすぐ第一話から見てみると、初々しいキャラ、初々しい人間関係が魅力的で、本当に「また物語がここから始まるのか……!!✨」ってたちまちワクワクします!

大好きな良作海外捜査ドラマあるんですが、ファイナルシーズンでは背中を預けて戦うほどの上司と部下が、第一話では手柄を立てたいので上司の行動をもっと上の上層部に監視して密告するような行動を取っているのが描かれていて、初見では「なんだーこいつー。スパイじゃないかー」と嫌な奴~みたいに思えましたが、段々と頼りになる信頼出来る部下になって行ってくれるのが描かれる。
だからファイナルシーズンでは大好きなキャラの一人になっていて、
ラストまで見守って、第一話に突然戻ると、「一生懸命手柄立てたくて監視してるwww そんなことやっても共に仕事していくうちに信頼するようになっちゃうくせにさ~~~~🥰」とその感じが新鮮に見えて愛くるしいわけです!

良作は必ず第一話に戻ると【人間関係のレベルが低すぎて感動する】という現象が起こります。

私はこれにすごく拘って書いているので、ラストまで見て、すぐさま第一話に戻って読んでもらっても「メリクとリュティスが全然信頼し合ってないwww 最初の頃ってこんなにリュティスはメリクといるの嫌がってたんか🤗✨かわいい」などと思える作品に全てがなっていると思います。

最初から強い奴とかすごい奴とかは私の話にも出て来ますが、

必ず主人公の人間関係のレベルは低いところからちゃんと描いている。

時間経過に伴う人間関係の変化を描くことほど、長編の魅力だと思っているからです。

人間関係が構築されて行くためには時間を掛けなければダメです。
つまり、文字数をそれだけ書かなければならない。
でも書けば書いただけ、ちゃんと時間を掛けて人間が変わって行く感動は書き込めます。

それならば長編小説家はきちんとこの部分、

恐れず時間を掛けて書くべきだと思いますね。

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