本日【花天月地】第114話【災いの夜】を更新しておきました。
郭嘉が長安に帰還して曹操様と再会出来たのがとても嬉しいので冒頭は郭嘉と曹操と元譲兄貴のお話にした😊
さて……。
今更ですが、皆さん【夏侯惇】という人をご存知でしょうか。
曹操が挙兵した時からその副将として傍らに付き従っていた、腹心中の腹心です。
曹操も戦ばかりの人生の人ですから、生半可な戦場を生き残っていません。
曹操と挙兵からの付き合いで、しかも傍らを守りながら、この人は生き延びて、曹丕の代まで魏の重鎮として存在しているのは、凄まじい生命力です。
曹操の側では、弱者は決して生き残れません。
これは心や魂の面でもそうですが、
武力自体も指します。
劉備の所の関羽や張飛、趙雲もそうですけれど、劉備のような男の側に自分の身は勿論他人の身すら守れるほどの武勇を持っていない男がいても、一瞬で命を落とすでしょう。
曹操もそうなのです。
魏という国の基盤を、戦乱の時代を勝ちあがって作り上げて来た曹操はまさに【武王】の名にふさわしい、自ら先頭に立って戦う系の王でした。
その曹操の戦いの人生が始まった時から、傍らで共に戦って来たのがこの夏侯惇という人です。
曹操は優れた逸材を何人も周囲に取り揃えていましたが、
そういう人たちと、この夏侯元譲兄貴様が明確に違うのは、
この人は曹操の部下ですが、父親たちの血が同族として連なっているとされています。
つまり分かりやすく言うと「従兄弟」みたいな関係なのです。
血も繋がっていたため、他人が曹操に忠義を心で誓っているのと、少し意味合いが違います。
身も心もこの人は曹操の腹心なのです。
曹操も色んな人間の裏切りに合いながら生きる毎日でしたから、側に一人でも「こいつだけは血も繋がっていて、死なずにいつも俺の側にいてくれる」と思える人がいたことは大きかったと思います。
「血が繋がっている」
と言いましたが、
曹操は確かに身内を大切にするものの、曹丕を忌み嫌うなど、身内だからと言って無条件に信じたり愛するようなタイプではないことも言っておきましょう。
しかしそんな曹操にとっても、極限状態なら「血が繋がっていないならあいつは俺を裏切るかも」なんて頭に過ることもありそうです。
それを考えると死にかけた所に夏侯惇が助けに来たら「こいつが来たから大丈夫だ」と極限状態でもこの人のことだけは信じられる部分があったのかもしれません。
要するに血すら繋がっていて、揺るぎない忠誠心を持ち、おまけにほっといても死なねえとんでもない武力を持った、まさに曹操様の為にいるような腹心。それが夏侯惇将軍です。
完全無欠の武将と言いたい所ですが、
魏の優れた武将と言えば張遼将軍ですけれど、数多の戦場に立っても目立った失策や敗走をほぼしない張遼に比べると、元譲兄貴実は割とその時の野生の勘で動き回ったり余計な行動をし、窮地に陥って友将に救われるなどもされているので、落ち着きのある天下無双の武将という感じはあんまりしません。
割と大雑把な性格をしていて、勘頼りな所もあり、
私が君主だったらこの方にあまり繊細な動きを要求されるような持ち場は託したくない所です。
しかし、
よくよく考えると自分の目の届く範囲に置いておけば、この人ほど確かに信頼出来る人はいないとも思うのです。
夏侯惇の美点は「邪心が無い」の一点。
とにかく余計な欲がこの人はありません。曹操が天下統一をする姿を俺は見たいんじゃの一言でずっとついて来ます。
褒美や声を掛けてもらえんと拗ねたりする奴とは存在する領域が違います。
「俺別に今日の飯食えたら何もいらん😊」
と言わんばかりの欲の無さ。
曹操様の方が「お前がそういう奴だというのは分かってるが、お前に褒美を与えんと俺が小さい男だと思われる。頼むから受けとれい」という感じで取り立てている様子が見れます。
もうとにかく元譲兄貴は曹操様への信頼が凄いんですよ。
立派な腹心と言っていい荀彧でさえ、徐々に【王】というあり方について曹操と上手く行かなくなっていきますが、元譲兄貴は曹操が自警団の隊長だろうが、一領主だろうが、一国の君主だろうが、神になろうが恐らく何も接し方が変わりません。
常に友を大切に想い、側にいる。
友がどこかに行ってこいというと「おう」と言って側も離れられますし、
至急戻ってこいと言われると夜を継いででも曹操の許に戻ります。
結構気性の激しいところも持っていたとされますが、その割に、同じく気性の激しい曹操の側にあれほど長くいても揉めた形跡が無いのは見事な相棒ぶりです。
曹操という非常に幾つもの顔を持って使い分けてるような気難しい、複雑な男の言動を、「曹操だからな😊」の一言で不思議と許容してしまえる、不思議な包容力を持っています。いわばちょっとした曹操のお母さんみたいなとこがある人ですね。
「夏侯惇さん! 貴方がこれまで曹操さんの言動で一番腹が立ったのはどんなことですか?」
などとインタビューしたら思いもよらん下らんアンサーが返って来そうな所がなんとも楽しみです。
そんな夏侯惇将軍ですが、曹操の側でずーーーーーーーーっと戦っていたので、割とどこの戦いで何をしたとか記録は詳細に残っているのですが、実は彼自身の「想い」とか「言葉」が残っていることは経歴のわりに非常に少なく、戦場では派手なんですが、普段は寡黙な印象があります。
自分は武官であると定め、余計なことをベラベラ喋ったり、政に口出すことを極端に嫌っていた様子が伺えますね。
曹操の側にいたことは確かなのですが、
彼自身が、曹操の周囲の人間たちをどう思っていたか、そういう記録は残っておらず欲の無い、曹操への圧倒的な献身性と命じられればどんな危険な場所にも「はいよ」の一言で行って生き延びて帰って来るようなとこを魏軍でも多分人望あったんだろうなーとは伝わって来るものの、
例えば同じように曹操の腹心であった荀彧や郭嘉や典韋や許褚、また族弟である夏侯淵などを【夏侯惇個人がどう思っていたか?】は分からず、
私としてはそこが非常に興味深い、想像するのが面白い人物になっています。
特に郭嘉は曹操とは歳が離れているので、年若い彼が曹操の軍師になったことなど、夏侯惇と郭嘉はどういう関係性だったのか、本当に興味深い。
しかし郭嘉は絶対曹操様と夜遅くまで酒飲みながら語らったりしてそうなので、元譲兄貴も曹操の寝室や馬車に同乗を許されるほどの人だったことから、絶対郭嘉とは鉢合わせてそうなんですよ。
その時に仲悪くて胸倉掴み合ってたら、やっぱり記録に残ると思うんですよね。
察するに三人で上手くやっとったんではないかなと私は思うので、
え~~~~~~~前置き長くなりましたが、
そんなわけで曹操様・郭嘉君・元譲兄貴が三人で仲良くやっとる話大好きであります!!🥰 かわいい。
賈詡先輩と郭嘉の「お前俺のこと舐めてんだろ」「舐めてませんよー先輩ー敬ってます~」「いやその言い方がもはや舐めてんだよ」のやり取りも私可愛くて大好きなんですが、
それとはまた違う、若干元譲兄貴だと郭嘉もこの人はやっぱりやりにくいな~😇になるとこがあるのが夏侯惇将軍のカッコいい所であります!
私の中では郭嘉を全く怖がってない数少ない一人。
というか「曹操と郭嘉を全く怖がっていないこの世で唯一の人」かもしれませんね。
夏侯惇の欲無くそういう強駒な感じが大変私も大好きなキャラであります。
ケロッとしてるんですよ。
地獄のような戦場からもこの人だけは「危なかったわ~」の一言で帰って来そうなとこある 逞しい。
窮地に陥っててもどこか曹操を笑わせるような純朴な所があるのが元譲兄貴のいいとこです🤗✨
作中で夏侯惇が郭嘉に対して
「お前は本当に、血も繋がってない癖に死ぬほど孟徳に似てるなそういうところ……」
と言っている通り、うちではこれが理由で夏侯惇が郭嘉を非常に気に入っています。
うちの曹操様は郭嘉に関しては完全放任主義なのですが、元譲ママの方はヤンチャ軍師郭嘉がやりすぎて死なないかいつも心配してくれています✨
こういう年の離れた先輩後輩コンビも可愛いねえ 好きだよ
さて。長安で仲良し三人が久しぶりに羽を伸ばして遊んでる隙に、
許都ではとんでもない事件が起こっています。
今ほど情報が一瞬で行き交わなかった時代。
こういう時代を小説で書く場合、「ここでは平和だが、ある場所では違う」という書き方を大切にすることで、読み手は情報が不便な中で人が誰かを想ったり心配したりする、不自由さの中でも想い合う素晴らしさを感じたりしますし、違う場所で何かが随時起こっていることで、絶え間なく世界が動き続けている、物語としての停滞感の無さも演出出来ます。
場面転換なども技術やセンスがいりますね。
【三国志】は三国もあり、それぞれ各地に駐屯部隊がいますので、場面転換の技術やセンスを磨くには持って来いなのであります!🥰✨
うちの夏侯惇は周瑜を買っているのですが、
そういえば曹操と夏侯惇の関係性は上記に書いた通り、
周瑜と孫策も義兄弟関係にあったと言われていることから、確かにこのペア実像が似ているところがあります。
夏侯惇はずっと打算なく曹操に付き従って来た人ですから、
孫策が袁術から独立した時に、当時何も持っていない孫策に周瑜が兵を率いて合流したなどという話は、割と好意的に受け止めてそうです。
赤壁の戦いに周公瑾がいよいよ、大都督として出て来る。
夏侯惇が赤壁の戦いに、隻眼を輝かせて参戦してそうな感じするの、私だけでしょうか?
そして周瑜ならばなんかやって来るに違いないと思っていたのに、最初からそう思わせて来たのにもかかわらずまんまと奇策を食らわされた夏侯惇は周瑜の豪気さを気に入り、赤壁の戦いの最後まで首を取りたいと拘り周瑜を追おうとしますが、断念し敗走します。
その様子が書かれたのは【花天月地 短編 <赤壁の戦い>】になりますので、うちの元譲兄貴に興味を持っていただけた場合はぜひこちらもご覧ください。
【花天月地】は以前も言った通り、赤壁後の世界から第一話が始まります。
赤壁後、周瑜は死亡しますので、
【花天月地】本編では二度と夏侯惇は周瑜と相まみえることが出来ませんでした。
実際、周瑜が死んだ報せを曹操や夏侯惇や荀彧がどのように受け止めたのかは知りたかったな~~~~~~~~~……
私は曹操は何人もの手強い敵と戦ってきましたからね。
周瑜の死も淡々と受け止めたのではないかと思いますが、夏侯惇なんかは周瑜を買っていた場合、再戦も楽しみにしてそうだったから、割と死亡の報せにはがっかりしたんじゃなかろうかなんて思っています。
その辺りのことが書かれているのが【花天月地 第39話 夜螢】。
涼州遠征の途上、長安の側を通りかかったので郭嘉が曹操に会いに来るエピソードです。
夏侯惇と郭嘉の関係性も初めてはっきりと描かれる、私も非常に気に入っているエピソードの一つ。
例によって単独でも十分楽しめるエピソードですので今回の更新で「この三人、おもろいな🤗」と思って頂けたらぜひ【夜螢】も揃えてご覧ください✨