原文
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二代目退位から三代目召喚まで
ここもヤク1000年ほど。
二代目の改革で文化が発展し商売の概念も強化されていたので、比較的裕福で安定した時期だった。法も整備され身分に関係なく不正は裁かれるため政治腐敗も一時的に減っていた。
戦争も続いてはいたが小康状態。
しかし二代目不在で時が過ぎると徐々に綻んでいく。
この時期の一番大きな変化は両勢力の戦争に対する考え方。
魔族は迫害を受けたことの復讐心から。人間側は教義に定められた神敵への憎しみから。その大きな感情で何代も争い続けてきた。
ここで魔族の軍事上層部の一部と、教会中枢が気付く。
戦争は終わらせない方が儲かると。中途半端に商売を教えて、中途半端に人類を賢くした弊害が起きて、戦争を利権と考えるようになった。
教会も初期はカルト気質が強かったが、この時はもう千年以上過ぎているので権威主義的な考えがより強くなっていた。
この流れを強めたのが一部の大きな商会。
戦争は武器の特需があり、戦場の分だけ奴隷が作れる。
・奴隷制度
奴隷の商売は基本的に教会のもの。人間は神に創られたもので神の所有物であるのだから、その管理は教会がするべきという教義。
その教会が認可を下した場合国家単位で国営の奴隷売買を行える。
ここで有力な商会が賄賂によって、国家を通さずに教会と商会で直接奴隷の売買を行えるようになる。
奴隷商と武器商で死の商人化した。
・奴隷の使い道
一般的な労働奴隷や性奴隷が主。一部特殊な使い道がありその一つが勇者召喚。
・召喚の生贄
勇者召喚には魔力回路に流す大量の血液が必要になる。血の質は魔素が多く含まれているほど良質となる。そのため、亜人や魔族の方がコスパがいい。
弥堂が召喚された時は人間を約6.5万人ほど生贄にした。これが魔族だったら5千~1万で済む。なので以前の時代からも戦争で調達した魔族の捕虜を燃料に勇者を召喚するというスキームがあった。
次の変化がエルフの扱い。
これまでは人間側の協力種族だったが、エルフも魔族認定をされ迫害の対象となる。
その原因が魔術院。
・魔術学院
魔術を学問として体系化し、それを教え育成するシステム。
国家を越えて各地に存在する。統括するのは魔術協会。
基本的に各国家内に教育施設として建てて、独立機関としての色も強いがその国家の所属機関になる。
・魔術師の立場
昔からエリート職ではあるが、魔術名門の貴族の家に生まれやすく技量は資質に左右された。基本は才能だけの勝負だったのが魔術学院の登場で研鑽で上回られる事例も増え、魔術師を目指すものはここに通うことが慣習となる。
良い成績で卒業するとそのまま宮廷魔術師などの要職に就きやすくなる。これまでは個々の家のコネが重要だったが、魔術学院がコネになるのでメリットを受けられる者が増えた。
これにより政治に絡む魔術師が増える。魔術師の優劣はやはり魔術の強力さで決まる。
これまでは魔術師の要職は貴族が独占。民間から魔術の才能を持った者が現れれば教会が拾っていた。教会がそういった人材を魔術学院に入学させ、各国家の政治中枢に送り込むようになる。
そうなると成績勝負になるが、その時邪魔になる者がいる。
・エルフの迫害
エルフは生まれつき人間よりも圧倒的に魔力た魔法の才能が高い。単純に実力勝負をすると魔術協会の要職や、魔術学院の成績優秀者は全てエルフになってしまう。
そこで人間の魔術師の有力者たちは教会に賄賂を贈り、エルフも魔族認定にするよう求め、教義が改変された。
エルフは人間の街から追い出され森の中で暮らすようになり、たまにゲリラ的に戦いをしかけてくる。奴隷としての需要も高まった。
亜人種の男は殺して血に。女は性奴隷に。
・二代目の欠陥
単独で全てを行うには類を見ないほど強力。戦いだけでなく制度の改革や文化の発展も出来る。魔道具の発明なども天才的。
だが、自分がその仕組みから抜けた後も自分なしで維持させることが不得意。上位存在としての気質が高まりすぎた弊害で、小さく愚かな者たちが何故こんなことも出来ないのかが理解出来なくなってきている。
この頃は人間だという自意識は大分薄れ、魔王であるという自認の方が強くなる。
その影響で人類社会に自らが直接手を下すことがしづらくなる。小さな誘導や教えくらいならいいが、直接戦場に出向いて両戦力を壊滅させるなどといった大きなことをすると禁奇に該当して天使が出てくるかもしれないと危惧する。そのため表舞台に出て来なくなった。
また2000年前後生きたせいか感情の起伏が薄れる。感受性がやせて外部からの刺激に反応しづらくなる。全てに既視感があるせい。
その対応のために「●●シリーズ」を生み出し「●●の蒐集」を命じた。
さらに一時的に外部の刺激の受信を強める魔道具を開発。これを使用している間だけは普通に会話も可能。それ以外の時は病人のようにボーっとしていることが多くなった。
弱っているわけではないが興味関心が湧きづらくなる現象。
二代目が作ったものは彼が管理している間はともかく、後世で社会の悪になることが多い。文化や学問の発展。商売の向上。魔術の学問化。この時代に全部が裏目になった。
彼の「●●●●●●●」としての性質もこの傾向がある。
興味関心で様々な魔道具を創るが、創って満足して放置する。その魔道具をあとで他の●●が持ち出してイタズラに使い、人間に迷惑をかける。
こういう出来事が多い。その一つが禁忌を起こし【14文字検閲】減らした。
彼自身に悪意はなくても、彼が遺したものが後世の誰かの仇になることが多い。
初代の時代には「戦争という枠組み」で物事の解決を考え。
二代目の時代には「社会の枠組み」で解決を考えた。
それら全てが失敗し、ここからは『世界』全体を一つの枠で見るようになる。
こうして彼が直接関わらなくなったことで、両種族の腐敗が徐々に進み、終わらせる気のない戦争の中で全ての人類が疲弊していく。
そうして千年ほどが過ぎた頃、グレッドガルド皇国に一人の天才が生まれる。
それがセラスフィリア・グレッドガルド。第一皇位継承権を持つ皇女で後に優輝を召喚する少女である。
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ここまで問題なければ次はセラスフィリアについて