• 異世界ファンタジー

日記 泉 章5 カイセイ 後日談

あれから一週間。あっという間なのか、やっとなのか分からない日曜の昼下がり。
ここ数日晴天が続き気温も高くなったおかげか大分春めいて来てきた。

進学科校舎に遊びに来たついでに中庭を覗くと、ベンチで部外者が座りながらうたた寝している。



「死んでも眠いもんなのか?」
話しかければ少しビクつき寝ぼけ眼の腑抜けた顔を上げる。

「んー」
まだ回りきってない頭を回すように唸り、挙げ句に 知らね。と適当に跳ねのけられる。
そんなベンチの片側に座り、校舎と廊下で閉じられた空に流れる雲を眺める。


いつからここに居るのか、なにしに残ってるのか、腹は減るのか
全部適当に返事を返してくる。

相変わらずふざけた奴だな


「アイツになにか伝える事あるか?」
一緒になって雲を見て半開きになってた口が閉じられる。


「いや、何もないよ」

死んでもバカはバカだった。




「それで、いつまでここに居るつもりなんだ」
宗教によるが、大体は1ヶ月と半月で何やかんや皆居なくなる。
こういう輩を見たり聞こえたりするが、死人に直接こんな事聞くのは初めてだ。



「んー…そうだな。雨が止んだら考えるわ」
アイツはそう言いながら校舎に消えていく。


どうして見えるのが自分なんだ


ため息は青空に吸い込まれていく。

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