引き続きネタバレ解説。
・第46話 ボーラマーケット
モデルはロンドンのバラマーケット。命名まんまですみません。
上記は現地に行ったことがあります。
あとはヴィクトリア朝絡みの資料を開いてがんばりました。
描写密度高いのに憧れて頑張ろうと思ったんですが、どうにも細かい割に想像掻き立てられなかったのでほぼカット。慣れないことはするものじゃない。
はじめてのおつかいと口々に言われたアルス王子。微笑ましく見守っていただけてありがとうございました。まあ、商品忘れるのもやらかしあるあるかもですね。
・第47話 ぼさぼさの緑髪
前にも言ったような気もしますが、アルスは学生時代言葉の訛りの研究してたので特に敏感です。
まあ、敏感じゃなくてもわかっちゃう階級社会が現実にあるんでしょうけど、小説でそこまでの表現は難しいかな、笑
マイフェアレディの影響です。
この話、アルス視点の地の文で、双子察してるのを隠しながら書くのには、少し頭捻りました。
なんかこう、ポワロの「〇〇〇〇〇殺人事件(殺し)」をほんのり思い出して書いてました。
ドジャーの服装がさっき見た記憶と少し違うこと、言葉が違うことでピンときたようです。
弟エミルは兄が心配で遠くへ行かずに様子を窺っていました。そのため捕まえるのは楽だったようです。
・第48話 クライミング・ボーイズ
この辺は、時代に詳しい人とかは、ああねーの世界かもしれません。
結構不親切にガンガン出してますけど大丈夫かな?
リンデルは18世紀後半から20世紀初頭まで、幅広く引っ張り上げて混ぜてるんですがこの辺の雰囲気はヴィクトリア朝前期かな?
現代の価値観に合わないのでうちの創作物では表現はしてませんが、子供は小さい大人として取り扱われていた時代でしたね。
子供らしく扱われ始めたのはヴィクトリア朝後期にかけて徐々にといったところ。
煙突掃除はなかなか過酷な最下級のお仕事。
当時悪いことした子供が、煙突掃除人に攫われるぞ!と脅されたりとかもあったとか。
ヴィクトリア朝の時代、外科医と内科医では別物というか格が違ったようで、ドクター〇〇と呼ばれるのは内科医、外科医はミスター〇〇らしいです。
・第49話 ドクター
露骨に日本っぽいとこからの移民。
アーナヴァルタという国はアメリカやカナダや他色々混ぜてる国なのですが、アーナヴァルタ訛りってのはまあ、アメリカ訛り。
アメリカ訛りの英語喋ってイギリスで眉顰められちゃう系の雰囲気です。
ドクターはテッドとは相性悪い(というかテッドがドクター嫌いなだけ)ですが、こういう人間はいっそアルスみたいな真面目人間に調子狂わされるので、実はこっちは相性いいと思います。
・第50話 兄弟の助言
テッドは好き嫌いがはっきり。笑顔を携えて毒舌放つ系キャラはまあ好きです。
年下に慰められるアルス。
あんまりこういうところ器用じゃないのが出てきました。
ピリピリしてたドジャーもお礼を言ってくれて、アルスも嬉しかったと思います。
はじめてのお使い頑張った甲斐はあったかと。
・第51話 彼らの矜持
仲間だと思ってたけど、自分が浮いてる気がするような、居心地の悪さ。
アルスには、どうしようもないと言えばない。
でもきっと考えなきゃいけないことなんでしょう。
なんだかんだ甘えた生活してるのは間違いないので。
救貧院とか煙突掃除の親方制度とか、またいくつか文献から知識を持ってきてます。
とりあえず双子は元気に救貧院でイタズラしてるはず。
・第52話 名簿
インパクト強めの引きに。
ディレアの仕事は情報屋でした。
過去は後ろ暗そう。
電信の暗号化は、当時も実際流行ったようですが、意味とりにくいから困るとなんか規制かかったりお金取られたりとかあったんだったかな?
名簿に並ぶ名前じゃなくてサインです、な演出。
割とそんなもんだろと深く考えずに入れましたが結構褒められたので嬉しかったです。
・第53話 悪趣味
アルスがあまりに真っ正直すぎてバレなかった件。
普通の少尉とかで名前引っ掛かればそのまま受け取ったんでしょうけど、王族は流石に一人で表には出てこないでしょ。
密かにパーカーのフルネームが出てますね、「ピーター・パーカー」PPです。
なんかひたすら匂わせの多いディレアのターンでした。
・第54話 テラスハウスへの来訪者
ついに!!
とりあえず入りの警戒からの会話のノリはお気に入りです。
パトリックのセリフは考えるのが楽しいです。
>輸出用の茶の在庫が余って損した話と、船修理の保険で儲けた話
この史実ネタを拾ってくださった方がいて、ちょっとドキッとしました。
金の話が好きなパトリックの性格と世界観詰め込んだセリフでしたね。
ブシは絶滅の件。まあ、日本モデルのワタミという国は明治時代とお思いください。
・第55話 古代人の噂
淡々と説明回かなと思って反応鈍いかと思いきや、アルスの「ど忘れ」に結構引っ掛かりを覚えていただいたようで、流石にこれはノーコメントー!
>鉄道に乗って逃げた犯人の特徴を、電信で伝える
これは実際にあった話。
ジョン・タウェルという殺人犯の件です。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB・第56話 金の話
パトリックの上手い言い訳が個人的にとても好きです。
金の話、やれやれと扱っていたアルスに対してうまいこと返したなと我ながら。
最後のじわりとしたオチはすき。ちゃんと口にできて、よかった。
・第57話 アルスvsギブソン
初めは戦闘シーン考えてなかったんですが、なんか勘でここに入れた方がいいなと閃いて書きました。
まあ、ちょっとしたエッセンスです。
パトリックは当人いなくてもいつもネタキャラ。
・第58話 団員たちの背景
結構強烈めのキャラクター、クリス。
読んでて、ん?ってなってもらえましたかね?
彼は化粧濃いものの、普通の美人のおねーさんみたいな感じなので(化粧なしだとただのイケメン)
チャーリーくんなんかは純情弄ばれたかもしれない。
新兵の面倒見とかもいいです。
王の少尉呼びは怒ったアルスですが、兵団内ではそりゃ怒ったりはしません。
みんなの中ではずっとジャック・レオポルド少尉なので。
・第59話 パーカー少尉の言葉
とてもお気に入りの話。
自分でもセリフをよく呟きました。
パーカーは少し潔癖なところもあるので、ポイ捨てしたゴミ拾いもしてます、笑
そもそも喧嘩のきっかけは馬糞だらけの、泥の箇所なんとかしろって若い兵士に命令したのをクリスから咎められたかんじかな。
ギブソンから泥だらけの場所にぶっ飛ばされたんじゃたまらないと思ったんでしょう。
オチがね……
単純にジャックに劣等感で悔しいのかと思いきや。
ふとした瞬間、死んでいいやつじゃなかっただろって、思う自分がいるのを、アルスにわかるかわからないかのギリギリの言い回して伝えてきました。わかりやすく言い切るのもプライドが許さなかったらしいです。