https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818093087172996018
そんなわけで第七話です。
さて、前にも出てきましたが、辺境伯の屋敷にほど近い渓谷(霧谷)には、〝王国発祥の地〟という伝承があります。
そうはいっても、この伝承は地域的なもので、王国民の大部分は知りません。
伝承では、神様を怒らせて天界を追われた人間が、暗い地下をさまよった挙句、やっと見つけた出口が霧谷だったとされています。
こうした伝承では、それに関する名所が存在するのがお約束になっています。
私の地元の県には「小野小町生誕の地」という伝承があって(全国各地にありますけど)、晩年暮らした岩屋、産湯を使った井戸、顔尾を洗った泉、母親の墓等々、眉唾物の名所がそこかしこに残っています。
霧谷にも、ご先祖様が出てきたという洞窟跡がちゃんとあります。
そのすぐ側に、地上に出れたことを神に感謝し、羊を生贄に捧げたという平たい大岩もあります。
ご先祖は地下をうろうろしている間、羊を連れ歩いていたようですねw 食料が必要というのは分かりますが、羊が食べる餌はどうしたんだろう?
なお、この洞窟は奥行きが七、八メートルくらいしかありません。その奥は崩落して塞がっています。
ですから見に行っても、まったく面白くありません。
セドリック君は賢い子なので、いろいろと自分なりの考察を行っています。
その中に「白城市の舞台女優」が出てきます。
これは半年ほど前、白城市で催された大きな舞踏会に出席する父親に付いていったこと時に、観劇をした影響だと思われます。
娯楽に乏しい田舎暮らしのセドリックにとって、きらびやかな舞台装置、美しい男優・女優の真に迫った演技は強く印象に残ったようです。
セドリックの話によって、新たな謎が山盛りになってきました。
ここまでくると、本章が推理物を目指していることが分かると思います。
その無謀な目論みがどう崩壊していくのか、どうかまったりとお楽しみください。
それでは次回もご贔屓にお願いします!