ゆっくりとピアノの音が染み込んでいく
遠くからやってくる静かな音たち
青い空を覆い尽くして
今はただずっと灰色のまま
窓を開けてお迎えをする
やさしい気配が部屋に満ちていく
言葉の容器が透明なもので満たされて
そこから溢れるものを大事に抱きしめる
イメージの洪水の中を漕ぎ出して
今日はどこまで漂っていこう
今なら何の音楽もいらない
このまま導かれるままでいよう
しっとり湿っていく
雨粒たちのささやかな合唱
冒険は大海原にまで続いていく
魚たちが思い思いにジャンプしている
忘れていたんだ
魂のふるさとの事を
ずっとずっと昔の事を
今なら思い出せる気がする
魚になって泳いでいく
流れに逆らって泳いでいく
水はどこまでも繋がっている
冒険に終わりなんてないんだ
シャボン玉のような水泡に乗って
青い青い世界の果てを目指して
孤独な旅は風に遊ばれる
懐かしい音楽が聴こえてくる
オルゴールの音色が水先案内人
ずっと降り続く一日
もっともっと楽しんでいたかった
やさしい匂いをかぎながらもう少しだけ