時代の空気が苦しいと誰かが海に流している
立ち止まってじっと虚空を見つめている
影絵の街が見せるありもしない幻
不意に飛び込んできて僕は途方に暮れているよ
グルングルンと堂々巡りの旅をあの人は続けていて
手を変え品を変えいつも同じ結論に辿り着く
きっとこれからも変わらないのだろう
聞き飽きて誰1人耳を貸さなくなっても
形の定まらないものがまた誰かに囁いている
気味の悪い温度感が手を伸ばしてくる
侵食されたいつもの人達が手招きしている
もう随分と顔ぶれは変わらないみたいで
彼らが望むものを誰も望まない
だから色濃くとても分り易く
焼き付けられた傷をずっとずっと手放せないんだな
深く深く刻み込まれてしまったんだな
時間は止まっていないのに
いつまで経っても同じ幻を見ている
何故いつもそんなに焦っているんだろう
石の意志は転がらずに乾いていく
ただひび割れて信号を赤くする
魔物に飲み込まれて呼吸を止める
モノクロの景色に好きな色を塗っている
自分で描いた絵に怯えているの?
転ばないように何本も杖を用意して
それでもまだせっせと新しい杖を探し続けている
雪が降るはずだとずっと青空を見つめ続けている
雲ひとつない晴天を疑い続けている