ノックしてすぐに反応があり、ドアを開けたのはぷりんの父親であろう人物だった。かなりのハンサムで、背も高くスタイルもいい絵に描いたようなイケオジ。彼はこの突然の訪問者を笑顔で迎え入れる。
「いらっしゃい、待ってたよ」
「は、初め……まして?」
真宙は緊張して言葉がうまく出てこない。ドアが開いたのを見計らって、ペロスがシュルリと家の中に入っていった。一歩の真宙は玄関先で直立不動のまま。その緊張具合を目にしたぷりんパパは優しく微笑む。
「とにかく入って。おもてなしをしなくちゃね」
「えっと、そんな……」
「遠慮はなしだよ」
ぷりんパパはそう言うと軽くウィンク。そのおちゃめに仕草に緊張感も解け、真宙は一歩を踏み出した。ぷりんの家は異世界ファンタジーでよく見るようなヨーロッパ風の建物で内装とかもそれっぽい感じだった。見慣れない景色に包まれて真宙は借りてきた猫状態。
前を歩くぷりんパパは歩きながら話しかけてきた。
「ぷりんは元気でやってるかな?」
「え? は、はい!」
「そんな緊張しなくていいよ。リラックスリラックス」
「は、はい!」
その後、多少の雑談を交わしながら案内されたのはリビング。そこにはおもてなしの料理とこの家の家族が並んで来客を待っていた。そう、ぷりんの家族達。真宙の目に飛び込んできたのは優しそうなぷりんのママとおばあちゃんとこの家まで案内してくれた黒猫のペロス。そこにイケオジのぷりんパパが加わる。
初めて目にしたぷりんファミリーに緊張してまたしても固まっていると、生意気そうな声が背中から聞こえてきた。
「ちょっと、そこにいると私入れないんだけど」
その声に振り向くと、見た目8歳くらいの可愛らしいぷりん似の女の子が。真宙が動いて場所を作ると、すぐにその子は先に入っていってちょこんと座る。どうやらこれで全員らしい。
「驚かせてしまったね。もうこれで全員だよ。さあ入って」
ぷりんパパに急かされて、真宙は足を踏み出す。まだ気持ちが追いついていないのか、この時の彼女は頭の中が真っ白なままだった。